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2017 年度 実績報告書

地方精神保健福祉審議会における当事者委員の参画に関する調査研究

研究課題

研究課題/領域番号 15K03944
研究機関日本医療大学

研究代表者

松本 真由美  日本医療大学, 保健医療学部, 准教授 (20738984)

研究期間 (年度) 2015-04-01 – 2018-03-31
キーワード地方精神保健福祉審議会 / 当事者委員 / 政策決定過程 / 参画 / 当事者活動
研究実績の概要

本年度の研究成果は以下の通りである。全国7地方(北海道・東北、関東、中部、近畿、中国、四国、九州)の中から各2か所以上全27か所の都道府県・政令指定都市を訪問し、地方精神保健福祉審議会への当事者委員の参画がある所の参画の経緯と当事者委員に対する評価、また、当事者委員の参画がない場合はその理由と参画に向けたプロセスを中心に聞き取り調査を実施した。
研究期間全体を通じて、全国47都道府県・政令指定都市(70.1%)の行政担当者を訪問し(一部文書による回答)直接行政担当者から意見を得た結果、当事者委員の参画があるところの参画の経緯は「全庁に渡る当事者委員参画の意向」、「担当課内で精神保健福祉施策推進のために当事者を必要と認識」、「多様な市民参加の点で当事者参画は当然」であった。また、当事者委員の「当事者としての体験」、「当事者としての切実な声」、「当事者の視点からの意見表明」、「行政機関の不足を補う」、「施策策定の一部を担う役割」が評価されていた。一方、当事者委員の参画がない理由を「当事者委員参画の必然性の認識の有無」と「意見表明の機会の有無」の2軸から、①審議会以外の会議や部会への参画、②当事者の人材把握の問題、③家族委員で代替、④検討未満の4種に分類できた。
今後、当事者委員が参画するためのプロセスとしては、①行政機関の動きとして、担当課内で当事者委員参画の理由付け、当事者委員を担える人材に関する情報収集、特定テーマの話あいにオブザーバーとして参加、続いて関連会議委員や、地方精神保健福祉審議会部会委員、本会議委員へとステップアップ、また、②当事者側の動きとして当事者団体の存在のアピール、ピアサポーター養成からの人材発掘、③公募制が考えられる。
これらの結果から本研究の目的であった審議会への当事者委員の参画拡大に向けた具体的方略の一端を明らかにすることができたと考えられる。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2018 2017

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] 地方精神保健福祉審議会への精神障害当事者委員の参画に関する検討―当事者委員の参画がある群とない群の比較から―2018

    • 著者名/発表者名
      松本真由美
    • 雑誌名

      精神障害とリハビリテーション

      巻: 第43巻 ページ: 掲載決定

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 地方精神保健福祉審議会における当事者委員の参画の課題―カリフォルニア精神保健計画審議会に参画する当事者委員・行政担当者への聞き取り調査から―2017

    • 著者名/発表者名
      松本真由美
    • 雑誌名

      北海道地域福祉学会

      巻: 第20巻 ページ: 12-23

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] 精神に障害のある人々のパブリックコメントの活用の可能性―自殺対策行動計画へのパブリックコメントの作成を通して―2017

    • 著者名/発表者名
      松本真由美
    • 雑誌名

      日本医療大学紀要

      巻: 第4巻 ページ: 掲載決定

    • 査読あり
  • [学会発表] 地方精神保健福祉審議会における当事者委員の参画―当事者委員の参画がない都道府県・政令指定都市の分析―2017

    • 著者名/発表者名
      松本真由美
    • 学会等名
      日本地域福祉学会
  • [学会発表] 【自主プログラム】ソーシャルアックションとしての政策決定過程への当事者委員の参画:地方精神保健福祉審議会に関わる当事者委員、行政担当者らの声2017

    • 著者名/発表者名
      松本真由美 矢部滋也 原田幾世 高橋朋克
    • 学会等名
      日本精神障害者リハビリテーション学会

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公開日: 2018-12-17  

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