(1)最終年度の研究活動は『高齢者福祉セミナーinカンボジア』を首都プノンペンのカンボジア王国社会福祉省(MoSVY)の大会議室でカンボジア王国社会福祉省(MoSVY)と東北福祉大学と共催で開催した(2017年8月18日)。この開催には、在カンボジア日本国大使館の「日カンボジア絆増進事業」認定とJICAの後援を受けて実施した。カンボジアでは社会福祉分野に関係するこの種のセミナーは初めての開催となり、カンボジア政府からは全面的な支援があった。パネルディスカッションには、過去のカンボジア国内での調査研究の分析を踏まえて、赤塚俊治がパネリストとして発表した。 セミナーの目的は、国家再建の途上にあるカンボジアにあって、①高齢者への社会的支援及び健康を増進させるための国家プロジェクト戦略を具体的に検討すること、②介護福祉士など社会福祉専門職を養成・育成するための政策等について検討することであった。15省庁の職員をはじめ、カンボジア王国赤十字社、国連、国際NGO団体、高齢者団体などから多数の参加者が来られた。セミナーの総括としてカンボジア王国社会福祉省(MoSVY)の次官補からは、「本日のセミナーは、今後の高齢者福祉を具体的にスタートする日でもあり、今後の高齢者福祉はもとより国民が安定した生活を確保するためにも社会福祉制度を具体的に検討し、それらの制度が具体的に展開されなければ意味がありません。本日のセミナーは、大変、大きな意義をもたらしたと思います。そしてさまざまな社会福祉分野に関する専門的な知識や技術を東北福祉大学や日本から学ぶ機会をつくりたいと思います」とご挨拶があった。 『高齢者福祉セミナーinカンボジア』は、今後のカンボジアにおける高齢者福祉政策を具体的に検討する際に大きな意義もたらした。
(2)州都バタンバン(Battambang)で高齢者の生活に関する聞き取り調査を実施した。
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