研究課題/領域番号 |
15K03965
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研究機関 | 日本社会事業大学 |
研究代表者 |
佐々木 由恵 日本社会事業大学, 社会福祉学部, 教授 (60406262)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 多職種連携 / 思考スキーム / 研修ツール開発 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は「医療・介護連携における協働を促進するための認知スキーム・思考プロセス」を分析してきた研究をを土台として、医療職・介護職間の連携方法論を展開し、より広範な職種に対応可能な多職種連携方法論を開発することである。中でも、地域完結型医療への移行に伴う多様な多職種連携や専門職・日専門職の連携を視野に入れ、連携アクターの個別性がより高くなることを前提とした新しい多職種連携方法論を開発することに重点をおいている。 さらに、同方法論に基づいて、認知的スキームの分析方法およびアーカイブ構築法を開発し、多職種連携の支援環境を整備する際に活用可能なものとする。研究の第一フェーズである今年度は、多職種連携の方法論を、主に、教育プログラムと管理ツールのデータ蓄積のため、介護職の研修、介護支援専門員の研修、訪問看護師の研修の場、さらには、高齢者施設において、介護職、看護職、理学療法士、作業療法士、栄養士、調理師、事務職などの多職種に参加してもらい、開発した映像を使用し、開発したプロットマップ表や思考付箋を用いて研修を実施し、その成果を分析した。同様な出来事であっても、職種間により行動の根拠が異なるという結果が得られた。医療系は思考スキームがスキル中心の記述が多く、介護職は利用者の心理的側面に配慮した記述が特徴として挙げられた。思考スキームの違いは、多職種の特性を互いに理解し、利用者主体の質の高いケアを提供していくための要となる。さらにデータを蓄積し、最終目的である多職種連携方法論を極めて生きたい。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
高齢者施設、介護事業所、介護職研修、看護職研修の機会を活用し、開発したツールを用いて思考スキームを検証するためのデータは蓄積された。
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今後の研究の推進方策 |
開発した、多職種連携方法論(教育プログラム・管理ツール)を実験する。 具体的には、多職種連携方法論を教育プログラムとして被験者にモニタリングをしてもらい、学習の容易性と現場適合性を見定める。開発したスールを現場で使用してもらい活用の可能性と効果を判断する。
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次年度使用額が生じた理由 |
最終年度に、アーカイブを作るための金額として、今年度は抑えたため。
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次年度使用額の使用計画 |
今年度は、前年度繰越金を含め、アーカイブに必要なソフト構築のために使用する。
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