本研究による多職種連携手法は、医学雑誌や介護系雑誌にも数多く取り上げられ注目されている。多職種連携を、それぞれの職種や経験に寄与する思考から連携を行う際に生ずるずれや危険性を学習するためにも有効な手法であることが認識され「神奈川県立生涯学習センタ」ーの多職種連携教育コースや厚生労働省認定のの医療安全管理者研修でも採択され教育にも役だっている。 本研究の特徴は、専門職だけではなく、利用者やその家族の思考も含め、連携の際に生じやすい思考のずれやそのことに起因するトラブルを回避していくためにも有効であることが、地域包括ケアシスの中で、多くのケースカンファレンスに用いることで実証が出来た。ただ、それぞれの思考の根拠が正しいのかどうかまでは分析対象としていなかったために今後はそのことにも視点を当てて教育に反映させていきたい。 本研究費で、多くの実践から得られたことを基盤にしソフト開発が出来たため、多職種連携のそれぞれの思考特性やグループ特性などをすぐに分析し振り返ることで、より納得がいく研修につなげることが出来るようになった。 今後は、多職種でも、特に介護分野では、EPA、外国人技能研修生などの日本人のみならず、バックグラウンドが異なる人材との協働作業が急ピッチで進むことを視野にいれ、経験と思考のの関連性を重層化しつつ、よいチーム連携が出来るように開発したソフトを用いて成果を高めていきたい。特に、外国人技能研修生の思考がどのように仕事経験に伴って変化をしていくのかは興味深く、開発したソフトを活用しながら事例を積み上げて地域社会に貢献していきたい。
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