研究課題/領域番号 |
15K03970
|
研究機関 | 立教大学 |
研究代表者 |
北島 健一 立教大学, コミュニティ福祉学部, 教授 (60214798)
|
研究分担者 |
岩満 賢次 愛知教育大学, 教育学部, 講師 (00454893)
金子 勝規 大阪市立大学, 大学院創造都市研究科, 准教授 (10708085)
柴田 学 金城学院大学, 人間科学部, 講師 (20580666)
牧野 松代 関西外国語大学, 外国語学部, 教授 (80269977)
|
研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
|
キーワード | 社会的企業 / コミュニティ・ビジネス / 連帯経済 / 地域福祉 / コミュニティ / 地域自治組織 / 中山間地域 / 地域づくり |
研究実績の概要 |
今年度(2015年4月~2016年3月)は計5回の国内研究会,「実証研究の予備調査」として4度の国内現地調査,および韓国で開催されたSocial Enterprise in East Asiaワークショップ(2016年2月18-21日,以下ヨンセイ国際プロジェクト)への参加を実施した. 現地調査先は,岡山県美作市上山地区(2015年8月4-5日),島根県益田市種地区(同8月25-27日),雲南市来生町槻之屋地区(同10月20-21日),京都府美山町(2016年2月29日-3月2日)の四カ所である.いずれの地域も中山間地域に該当し,過疎,高齢化,人口の自然減,集落機能の低下などを背景に新しい地域づくり(定住の促進策,新しい地域自治組織の立ち上げ,集落営農や農産物加工の取組,生活環境の整備など)の活動が見られる地域である.また,それぞれの地域の福祉を推進する県・市町村社会福祉協議会,さらに県庁・市役所の地域づくりに関係する部署も訪問調査の対象とした.以上の現地捜査を通して,平成27年度研究計画に掲げた「近年の政策動向に関する資料」,「先駆的な取組に関する資料」の収集を行った. 国内研究会では以上の現地調査の振り返りとともに,「中山間地域における連帯経済を基盤とした持続可能なコミュニティ福祉」のアプローチに関する理論研究として,連帯経済のコミュニティ再編の機能(従来のコミュニティを基盤にしつつも新しいコミュニティを形成していく)などに関して検討する機会をもった.本年2月のヨンセイ国際プロジェクトのワークショップでは,一つは,以上の一連の現地調査の概要および「コミュニティ基盤」の視角について,もうひとつは日本の福祉国家および昨年4月から始まった困窮者自立支援制度の概要・実施状況について報告した.
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究目的と照らし合わせた場合の調査対象地域の適切性という点では,結果として若干のずれもあった.そのようなこともあり,再度,調査対象地域を練り直し,複数箇所を選び出して精力的に調査活動を行った.その結果,現代日本の中山間地域のコミュニティを舞台に現れつつある地域づくりの取組の全体像は把握することができた.次年度以降の本調査の準備は整ったものと考えている 上述のように,今年度は,現地調査の立案・事前学習・調査に予定以上に多くの時間を割いたために,それと並行して進める予定であった理論的な枠組みの検討は予定通りには進まず,年が明けてからの取組となった.
|
今後の研究の推進方策 |
今後は,初年度に行った現地調査で得られた知見を踏まえて本研究全体の理論的な枠組みを固めていく必要がある.そのための理論的検討を中心にした研究会の開催が今年度の研究の柱になる.なお,現地調査を通して,地域自治組織の理論的な検討が不可欠であることが判明したので,行政学の専門家の協力をお願いしたいと考えている.また,理論的な枠組みづくりの進展度に応じて,「実証研究」の完成に向けた本調査も実施したい. 計画書に記載した香港で開催される国際会議(The 4th international Conference on Social Enterprise in Asia)は当初予定の7月ではなく9月開催となった.計画通りにそれに向けたペーパーの検討にも取り組んでいく予定である.
|
次年度使用額が生じた理由 |
研究会に参加する予定だったのが,体調不良のために参加できなかった.
|
次年度使用額の使用計画 |
2015年度の繰越額と合わせて,基本的に,計画書通りに研究を進める予定である.
|