研究課題
研究1の質問紙調査では、全回答者228名(29.4%)を有効回答とし分析の対象とした。生活支援技術における移動支援(移動介助)の技術到達度評価基準があると回答した121名の中で評価基準の項目に「腰痛」に関連する項目があると回答した者は56名(46.3%)であった。研究2の模擬研修では、研修前と研修後の振り返りアンケートより、腰痛の理解(腰痛のメカニズム・介護現場における腰痛の実態)・腰痛の対策(身体面へのアプローチ)に関する内容に関しては、研修前と研修後に比較すると、腰痛予防への関心度や、腰痛有無に関係なく予防策の必要性を感じる受講生が多い。参与観察からは、研修内容(Ver.1)に導入した腰痛の自覚症状チェックの集計を報告した時の共感的な様子が見受けられたことや、研修内容(Ver.2)に導入した腰痛予防体操に笑顔で参加される姿が観察できた。研究3の移乗場面における職業性腰痛予防に関する動作分析では、予備調査での動作分析では、腰痛経験のない特別養護老人ホームに従事する介護職の移乗介護技術の動作分析を行ったところ、①体軸がぶれない②重心軸がぶれない③対象者と距離を近づけるタイミングが、対象者の立ち上がり動作後になっている④回旋の際の荷重割合の変化が少ないことが明らかになっている。介護福祉士養成課程に属する介護経験のない学生で研究協力を得ることができた3名においては、予備調査で明らかになった腰痛経験のない特別養護老人ホームに従事する介護職と比較すると、初回は、①体軸がぶれない②重心軸がぶれない点は殆ど差がないが、③対象者と距離を近づけるタイミングが早い④回旋の際の荷重割合の変化が多いとの結果が得られた。二回目の撮影前に③④の動画も見せてから試技を行うと③に関しては3名とも修正することが可能となった。
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地域ケアリング
巻: 5 ページ: 44-46