研究課題/領域番号 |
15K03991
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研究機関 | 立命館大学 |
研究代表者 |
櫻井 純理 立命館大学, 産業社会学部, 教授 (10469067)
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研究分担者 |
長松 奈美江 関西学院大学, 社会学部, 准教授 (30506316)
阿部 真大 甲南大学, 文学部, 准教授 (60550259)
嶋内 健 立命館大学, 衣笠総合研究機構, 研究員 (70748590)
仲 修平 東京大学, 社会科学研究所, 特別研究員 (60732401)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | アクティベーション / 地方自治体 / 就労支援 / ガバナンス / デンマーク / 生活困窮者自立支援 |
研究実績の概要 |
まず、最終年度に実施した研究の内容等は以下である。 1.大阪府内の基礎自治体に対するアンケート調査(地域就労支援事業の実施状況)の結果分析:研究分担者の長松と仲を中心に分析を進めた。仲は学会で口頭発表を行い(社会政策学会関西部会、2017年12月2日)、長松も2018年5月の社会政策学会で成果を口頭発表する予定である。 2.平成28年度末に実施したデンマーク調査の結果分析:2017年7月23日と12月3日の2回、研究会を開催し、2018年3月に実施した聴き取り調査のデータについて共有し、今後の分析方法や必要な追加調査の内容等に関する議論を深めた。 3.欧州におけるアクティベーション研究の文献収集と分析:研究代表者の櫻井は2017年4~6月にオスロの研究機関に客員研究員として務め、ノルウェー国内の地域政策分析や欧州各国の国際比較研究など、最近の文献に基づく分析を行った。成果の一部は論文として公表した。
研究期間全体を通じて実施した研究の成果は以下の通りである。第一に、地方レベルで実施されている生活保障・就労支援政策について、地方自治体や関連機関に対する質的調査に基づく具体的な検証を行った(特に生活困窮者自立支援事業について)。第二に、自治体によって異なる政策内容・レベルの精緻な比較を試みるために、量的な調査・分析(対象は大阪府の地域就労支援事業)に着手し、今後の分析方法を検討した。第三に、欧州の先駆的な政策の実態調査を行い、今後の日本の政策に対する示唆を得た。これらの成果は、今後の日本におけるアクティベーション政策のあり方―たとえば行政内外の組織編制や連携・協働等のガバナンス、就労支援メニュー、生活保障体系等―に関し、求められる改善の視点や新たな施策を提起するための論拠となるものであり、その点において重要な意義を有している。
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