研究課題/領域番号 |
15K03999
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研究機関 | 関西学院大学 |
研究代表者 |
陳 礼美 関西学院大学, 人間福祉学部, 教授 (40510160)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 高齢者 / ボランティア / 組織 / いきがい |
研究実績の概要 |
高齢者のいきがいは、超高齢者会を迎えた日本にとって重要な課題である。高齢者にいきがいをもたらす活動としてボランティア活動があげられており、先行研究からはボランティア活動が高齢者のウェルビイング(心身の健康)に与える良い効果は報告されている。しかし、高齢者ボランティアの歴史は未だ浅く、ボランティアに参加している高齢者の割合はほかの先進国に比べては少なく、伸びていない。そこで本研究は、高齢者ボランティアを採用している団体を対象に、高齢者ボランティアの確保と活動へのサポート体制について調査を行い、高齢者ボランティアの管理の実態について把握するとともに団体の組織的能力(organizational capacity)の理論的枠組みを構築することを目的として開始した。
平成27年度には、アメリカの研究協力者が実施した高齢者ボランティア団体の研究に使用した調査票を翻訳した。アメリカとの社会的、文化的背景も異なるので、実際にボランティア団体の方たちにもインタビューを行い、調査票の文言の確認やサンプル確保のために様々な団体の紹介もお願いした。同年の秋には、高齢者ボランティアを採用している生涯学習の団体群に翻訳した調査票をもとにパイロットスタディーを行った。その結果、アメリカと同じような組織能力のカテゴリーが抽出されたが、日本の組織能力の強み(strengths)の順位はアメリカと若干異なっていることがわかった。
平成27年度で作成した日本語版の調査票を用いて、平成28年度は全国にある団体を対象に調査を行う予定である。但し、パイロットスタディーを踏まえた結果、調査票の修正が多々必要だったので、予定したサンプル数の確保に遅れが出ている。サンプル確保のための働きは継続し、今年度中には全国レベルでの高齢者ボランティア組織の実態について分析を行う予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究は、おおむね順調に進展していると評価する。調査票の翻訳、パイロットスタディーの実施と分析は予定通りに行った。しかし、パイロットスタディーの結果を踏まえて、調査票の修正に時間がかかり、予定していたサンプル数の確保が未だできていない。これを平成28年度の課題として取り組みたい。
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今後の研究の推進方策 |
平成28年度は、全国レベルでアンケート調査を実施し、答えを回収し、分析を行う。もし予定していた200団体のサンプル数が確保できない場合は、統計手法を変更する対策を考えている。
同時に、調査に参加してくれた団体の中から調査結果やヒアリングを踏まえてベストプラクティスを行っている団体についてフィールドワークを通して深く調査していくことを予定している。
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次年度使用額が生じた理由 |
次年度使用額が13,246円生じた理由としては、購入を予定していた書籍の出版が平成28年度ということがわかり、平成27年度中の購入に該当しなかった。
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次年度使用額の使用計画 |
平成28年度には、予定している本が出版されるので、その購入にあてたい。
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