本年度は、スウェーデンのストックホルム市と地方都市ベステローズ市の社会的企業とその関連機関を訪問した。ストックホルム市ではサムオルドニングスフェルブンデットを訪問した。これは、ストックホルム県と県内のいくつかの市などが協働で社会的企業の支援を行っている団体である。民間の組織とも協働している。近年スウェーデンではこのような公的部門等の協働の支援組織が増えている。公的部門と社会的企業の橋渡しをする上で大変重要な役割を演じている。ここで話を聞くと共に、場所を移動し、以前に訪問したことのある労働統合型社会的企業ヨッブベルケットなどで聞き取りをした。以前よりも活動分野が増えていた。例えば郊外の丘陵にひろがる保養地の運営をも実施していた。大切なことは、労働の内容である。意味のある労働を積極的に支援していくべきである。 地方都市ヴェステロース市ではまず最初に支援組織コンパニオンを訪問し、同市の社会的企業の実態についてヒアリングをした。社会的企業は生み出された利益をその目的のために再投資をしなければならないので、拡大しつつある社会的企業が成功していると言えるという示唆を受けた。同市では社会的企業ドラオテア、アクセッサム、そしてモティヴィを訪問した。ドラオテアでは、知的障害者や精神障害者と共に、演劇、バレー、ミュージカルの上演をし料金収入を得る。毎日のように練習をするが、その練習を鑑賞することができた。芸術分野での取り組みは今後さらに発展するように思われる。
|