研究課題/領域番号 |
15K04007
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研究機関 | 広島文化学園大学 |
研究代表者 |
河野 喬 広島文化学園大学, 人間健康学部, 講師 (20738843)
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研究分担者 |
石倉 康次 立命館大学, 産業社会学部, 教授 (40253033)
井川 純一 大分大学, 経済学部, 准教授 (90748401)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 刑余者支援 / 地域生活定着支援センター / 社会的包摂 / 非営利市民団体 / 司法ソーシャルワーク / 社会福祉援助職 / 労働環境 / 主観的報酬 |
研究実績の概要 |
平成29年度の研究計画に基づき,実施したのは次の項目である。
1.フランスにおける障がい・高齢刑余者支援の実態調査として,非営利市民団体(association)による活動内容の視察,及び所属する支援者に対するインタビュー調査を行った。訪問先は,AUXILIA,Moulin Vert,Le Cimade Lorient等である。特に,Le Cimade Lorientにおけるインタビュー調査において,非営利市民団体による支援の歴史的背景,司法・行政機関との連携の実態,支援における非政府的・非権力的な姿勢の意義,現在直面している課題について聴取した。フランス社会の現状,及び社会的領域の諸問題の解決に向けてassociationが主体となって取り組んでいることの成果,政府による財政削減等の課題について確認した。 2.日本の刑余者支援の拠点である「地域生活定着支援センター」を対象とした全国配票調査を行った。調査内容は,管理者を対象とした支援体制に関する調査,及び職員を対象とした労働環境に関する調査である。職員を対象とする質問紙は,主観的報酬尺度(井川・中西・坂田・浦, 2015)を用いて作成した。全国48箇所のうち,調査協力の意向を示した30箇所に質問紙を郵送し,23箇所から回答を得た(回答率47.9%)。職員調査は80名から回答を得た。結果として,対人報酬,成長報酬,安定報酬は中点よりも高く,経済報酬は低く見積もられており、これらの結果は他の社会福祉援助職と大きな差は見られなかった。自由記述においては,社会連携の難しさ,後進育成等において長期的展望が描きにくい等の課題が示された。
当該年度における研究成果の公表は,日本社会福祉学会における報告1件,社会情報学研究への論文投稿1編を行った。最終報告書を編纂中であり,本研究の主要部分を整理して,今後学会誌への論文投稿を行う計画である。
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