平成30年度の研究実績として、①「地域福祉活動の主体形成を促進するコミュニティワーク記録方法の体系化」に関する考察、②「コミュニティワークとナラティヴ・アプローチ研究会」の開催、③関連学会および学術雑誌における研究成果の発表などがあげられる。 ①「地域福祉活動の主体形成を促進するコミュニティワーク記録方法の体系化」に関する考察について、これまでに実施した「住民とコミュニティワーカーのコミュニケーションプロセスの記録化」に関する調査(インタビュー調査、コミュニティワーク記録の分析)の結果をふまえて、住民の主体形成を促進するコミュニティワーク記録のあり方について考察を深めた。「住民の参加と主体性」および「コミュニティワーカーの地域福祉援助」に関する記録を分析整理し、両者は相互に影響を与え合い、コミュニティワーク実践を発展させていることを明らかにした。 ②「コミュニティワークとナラティヴ・アプローチ研究会」の開催について、主に①に関する分析および考察を行った。また、沖縄県における地域福祉活動の主体形成に関する優れた実践事例から、コミュニティワーク実践における「交流・学びの場」の意義について考察を深めた。 ③関連学会および学術雑誌における研究成果の発表について、第一に日本地域福祉学会第32回大会において口頭発表「コミュニティワーク記録にみる住民とコミュニティワーカーのコミュニケーションプロセス」を行うとともに、第二に『広島国際大学医療福祉学科紀要』において論文「コミュニティワーク実践における住民とコミュニティワーカーのコミュニケーションプロセス」(2018年)、「住民の主体形成を促進するコミュニティワーク記録-『ワーカー行動記録』の分析結果から-」(2019年)を発表した。
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