研究課題/領域番号 |
15K04009
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研究機関 | 山口県立大学 |
研究代表者 |
野村 公香 (増田公香) 山口県立大学, 社会福祉学部, 教授 (60316776)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 障害者虐待 |
研究実績の概要 |
1.障害者虐待に関する海外を中心とした文献を収集し分析した。その結果、障害のある女性に関する虐待に関しては性的虐待として女性学と連携し独自な研究展開が行われていることが確認された。つまり障害者虐待の中でも性的虐待に関しては他の虐待事象とは別の方向性で位置づけられていることが確認された。また加害者のみならず被虐待者になりうる可能性のある当事者自身にも予防的観点からの教育の必要性を展開している研究が見られた。また障害者虐待に関しては障害の特性が影響していることが確認された。具体的には、知的障害のある人々に対する虐待のほうが身体障害のある人々に対する虐待より発生率が高いことが確認された。
2.実際に虐待が発生した案件の事例に関して情報収集しその背景要因等に関して分析した。その結果、性的虐待に関してはやはり他の虐待事象とは異なる点を確認した。つまり海外の先行研究において性的虐待が女性学と連携し他の障害者虐待とは異なり独自な方向性で展開されている点との整合性が明らかになった。また加害者のみならず被虐待者となりうる可能性の当事者にも予防的視点で認識の強化を図る必要性があることが確認できた。また障害者虐待の実例を分析することにより先行研究では見えなかった加害者側の認識の問題の重要性及び認識を改善する方法論について検討できた。 今年度は実際のアンケート調査までには至らなかったが、次年度実施予定のアンケート調査の予備研究ができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
在職地域で発生した某虐待案件に関して某団体が展開した研修会及び大規模なアンケート調査の分析等に多大な時間を費やしたため当初予定していた2016年度の研究が遅れた。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、当事者の視点から障害者虐待に関して障害の特性別に実態把握を展開し、また海外でも可能な限り実態把握を展開し、比較検討を行いたいと考える。
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次年度使用額が生じた理由 |
2016年度に当初予定していた調査が先方の団体との日程調整ができず実施できなかったため
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次年度使用額の使用計画 |
2017年度は国内の調査及び海外との比較検討を行う為、海外に渡航する予定である。
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