本研究では,児童養護施設心理職の補完的教育プログラムの開発・実践とその評価を行った。研究1として,全国の児童養護施設心理職を対象に質問紙調査を実施した。他職種への助言・指導,心理アセスメントなどの職務に困難を抱えているものの,スーパービジョンの機会がある心理職は約半数で,教育機会の個人差が顕著であった。児童養護施設の心理業務に直結する専門性ほど早い段階からの継続的な教育が必要であるとされた。研究2では,研究1の調査結果をもとに,補完的プログラムを開発し,1年にわたって実践し,その評価を行った。心理臨床の基本事項や知的障害をテーマとする実践で満足度が高く,職務自己効力感が微増していた。
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