研究計画に従い、韓国調査を実施した。韓国では情報保障に関連した立法化がすすんでいることが確認された(2008年の多文化家族支援法、2014年制定2015年施行の発達障害者支援法[発達障碍人支援法]、2015年制定2016年施行の障害者・老人等のための補助機器支援法[障碍人補助機器支援法]、2016年の韓国手話言語法、2017年の点字法など)。発達障害者支援法とは知的障害者、自閉症の人への支援に関するものである。この法律により、知的障害者へのわかりやすい情報提供や、わかりやすい版の出版がすすめられている。補助機器支援法が規定する補助機器には「意思疎通および情報伝達用補助機器」があげられている。保健福祉部の国立リハビリ院[国立再活院]が中央補助機器センターを運営しており、各地にも補助機器センターがある(中央とあわせて11)。文化体育観光部は弱視者や高齢者にとってよみやすい大活字本を製作し公共図書館に配布している。また、2001年に設立された国内人権機関である国家人権委員会があり、人権に関する相談窓口であるにとどまらず、調査機関としての独自の権限をも有している。公衆電話や携帯電話によるホットラインもあり、手話や英語でも相談できるなど、アクセシビリティのたかさが注目される。 また、第19回情報保障研究会(2017年7月、愛知県立大学)および第20回情報保障研究会(2018年3月、愛知県立女性センター)を共催し、関連学会等においても研究報告を実施した。
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