(1)行為者の態度の一貫性についての認知が、行為者との心理的距離に応じていかに異なるかを、自己と他者の連続性(自己-親密な他者-疎遠な他者)を視野に入れて検討し、距離が近いほど行為者の態度の文脈を超えた一貫性が知覚されること、自己はいわば心理的距離ゼロの他者として捉えうることを見出した。(2)自己と他者の間の認知のズレがもたらす社会的帰結として、集団において誰からも好まれない「不人気な規範」が維持されるメカニズムを検討した。(3)能力の可変性に関する暗黙の信念が、自己と他者との相互作用を通じて形成され、共有されるプロセスを、教育場面における社会環境の諸要因にも着目しつつ検証した。
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