研究課題
中国で働く従業員の文化特有行動・意識の特徴を明らかにするために、中国における企業を対象に平成28年度、29年度に調査を実施する。文化特有行動・意識を理解し、従業員の仕事意欲を高めることなども目標としている。これら調査の準備段階として、われわれ研究グループの先行研究である西安、上海における企業(合弁企業、日系独資企業、国営企業)の従業員回答データ(質問紙調査ならびにヒアリング調査)の解析を平成27年度に行った。この一部結果に関しては、論文化を行った。これら分析結果を参考とし、日本国内向け調査の質問紙を平成27年度に作成した。日本国内向け調査は、中国調査の予備的な調査の役目をもつが、日中比較調査の意味合いももつ。中国の文化特有行動・意識である面子(メンツ)、人情(レンチン)についても日本人が回答できるように工夫し、質問項目化を行った。質問項目には、その他に、組織内の権威の人間関係である「権威勾配」、従業員の仕事への集中、意欲を表す「ワーク・エンゲイジメント」「ストレス反応」などを内容として含めている。国内調査は、大企業1社(食品)、中小企業2社(印刷、電気塗装)、一般社団法人1団体協会(保険)の計4社で実施し、データ入力を修了した。
2: おおむね順調に進展している
平成27年度の目標は、本グループの先行研究の解析を進め、日本国内企業従業員の調査を実施し、その結果をまとめて、中国企業調査に活かすことであった。先行研究の解析を行い、日本国内企業の調査実施が完了したことでおおむね順調に進んでいると判断した。
平成28年度以降、中国内陸部、沿海部の各地域の都市の企業従業員を対象として調査を実施する。内陸部、沿海部双方の地域の複数企業従業員にて調査を実施することによって、中国を代表する調査と言えるようになる。中国における企業従業員の調査は、日本との政治的な関係上、簡単なものではない。本研究は調査の実施までに大半の人的エネルギーを費やすことになる。研究分担者のコネクションと慎重な計画、対応によってこれを可能にするものである。
次年度使用額が生じたが、この金額については当初調査旅費として見込んでいた。しかし、この額では旅費としては不十分であるため、大学の個人研究費を使用することとし、39,980円が残ってしまった。
請求した助成金は2,300,000円であり、次年度使用額と合わせ2,339,980円となる。2度の中国調査旅費(西安、北京)に1,500,000円、調査協力金300,000円、データ入力、解析における人件費300,000円、物品(解析ソフト他)に200,000円、その他(質問紙印刷料金、郵送料金)に39,980円を使用する予定である。上記総計で使用予定額は2,339,980円となる。
すべて 2016 2015
すべて 雑誌論文 (3件) (うち謝辞記載あり 1件、 査読あり 1件) 図書 (1件)
下関市立大学論集
巻: 59 ページ: 49 58
和光大学総合文化研究所年報「東西南北2016」
巻: 2016 ページ: 114 128
経営行動研究年報
巻: 24 ページ: 109 114