研究課題/領域番号 |
15K04047
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研究機関 | 大阪商業大学 |
研究代表者 |
杉田 陽出 大阪商業大学, 経済学部, 准教授 (60268290)
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研究分担者 |
甲田 菜穂子 東京農工大学, (連合)農学研究科(研究院), 准教授 (90368415)
入交 眞巳 日本獣医生命科学大学, 獣医学部, 講師 (70453511) [辞退]
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 終末期 / 獣医療 / コミュニケーション / コミュニケーションスキル / ストレス / 獣医師 / 動物看護師 / 調査 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、終末期獣医療における獣医師のコミュニケーション行動の問題点とストレス要因を究明し、飼主の悲嘆反応軽減や獣医師のストレス緩和に有効な獣医師のコミュニケーションスキルについて検討することである。研究方法として、全国の臨床獣医師を対象に、コミュニケーション能力や一般診療過程のストレスレベルを測る質問に加えて、悪い知らせの告知方法、終末期診療過程のストレスレベルと飼主サポートの有無、日頃のストレス対処法や相談相手の有無に関する質問から成る質問紙調査を行った。同時に動物看護師調査も行い、各調査のデータセットを作成した。 以上の研究経緯を踏まえて、最終年度は2つのデータセットを用いて、以下の研究テーマごとに知見をまとめる作業を行った。まず1つ目のテーマは、終末期診療過程の獣医師のストレスレベルとその要因(ストレスレベルが高くなるのは技術面か・倫理面か・対人スキル面か、一般診療過程のストレスレベルとの比較、ストレスレベルと基本属性・臨床経験・業務形態・コミュニケーション能力・ストレス対処法・相談相手の有無との関連性)である。2つ目は、獣医師が飼主に悪い知らせの告知を行う条件とその際に提示する治療方法の傾向(悪い知らせの告知に関する獣医師の意識及び行動の特徴と問題点、安楽死処置が提示される割合)である。3つ目は、患者死亡後に獣医師が飼主の精神的サポートを行う程度とその方法(飼主サポートの有無と動物病院規模・地域性・コミュニケーション能力・ストレスレベルとの関連性、飼主サポート体制の現状と獣医師の飼主対応能力の限界点)である。4つ目は、動物看護師についても同様のテーマで知見をまとめ、獣医師の場合と比較すると同時に、動物看護師に必要な臨床コミュニケーションスキルについて検討するというものである。今後も継続して研究成果をまとめ、雑誌や学会で発表していく予定である。
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