研究課題/領域番号 |
15K04061
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
教育心理学
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
金澤 忠博 大阪大学, 人間科学研究科, 教授 (30214430)
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研究協力者 |
井﨑 基博
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 超低出生体重児 / 学齢期 / 発達障害様症状 / 発症メカニズム / 周産期合併症 / 共有環境 |
研究成果の概要 |
平均8歳の極・超低出生体重児220名のうち、自閉スペクトラム症(ASD)15.9%、注意欠如多動症(ADHD)が20.5%、限局性学習症(LD)が23.2%、知的障害は9.5%、境界知能は9.1%であった。重症のIVHとIUGR、CLD、ROPがIQを低下させ、重症のIVHは、ASD、ADH、LDの増悪にも関わり、IUGRもADHDやLDの発症に影響を与えていることが示された。一卵性双胎24組48名と二卵性双胎21組42名について、遺伝率と共有環境、非共有環境の寄与率を調べると、ASDや不注意に関しては遺伝率より周産期を含む共有環境の寄与率の方が大きいという特徴が確認された。
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自由記述の分野 |
発達心理学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
学齢期の極・超低出生体重児にASD、LD、ADHDなどの発達障害様の症状が高率で認められた。発達障害様症状の発症には脳室内出血、慢性肺疾患などの周産期合併症が影響を与えていることが示された。さらに、一卵性双胎と二卵性双胎の比較により遺伝率よりは共有環境の寄与率が高いことが示され、発症メカニズムに周産期の環境要因が関係している可能性が確認された。ASDは遺伝的な要因が優勢とされるが、通常とは異なり周産期因子が後生的に作用している可能性が強まった。周産期合併症に関しては周産期医学の進歩により今後その医学的予防や医学的治療が可能になれば極・超低出生体重児の発達障害様症状の軽減につながるかもしれない。
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