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2016 年度 実施状況報告書

学校危機後の安全・安心感の回復と再発防止に向けた長期的介入支援に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 15K04063
研究機関大阪教育大学

研究代表者

瀧野 揚三  大阪教育大学, 学校危機メンタルサポートセンター, 教授 (60206919)

研究期間 (年度) 2015-04-01 – 2018-03-31
キーワード学校危機 / 介入的支援 / 心理教育
研究実績の概要

本研究は、学校危機事例に対して、学校はどのように長期的に、包括的対応を進めていけばいいのかを明らかにすることを目的とし た。
まず、事件の影響を受けた児童生徒の回復や成長につながる学校組織・学校経営への介入的な支援、学級経営のための教師への支援 、学校段階間の連携の進め方、さらなる安全感、安心感、信頼感を高める学校安全への取り組み(再発防止策)などを継続して実施した。これまでの支援経験に基づき、児童生徒の卒業後の学校の体制と卒業生への継続的支援について検討した。教員へのコンサルテーションは、毎週実施しているコーディネータ ー、カウンセラーとのミーティングで情報交換をするなかで随時実施した。要支援、要配慮の児童生徒の保護者とは、コーディネーターと協議しながら定期的にミーティングを設定した。学校危機メンタルサポートセンターにおいては、支援に関して、一定の情報を発信し続けるなかで、支援が押し付けにならないように配慮し、ホームページによるトラウマ心理相談室の活動の広報、問い合わせに対して十分に対応する取り組みを継続した。
ここまでの取り組みの成果は、学校危機事例だけでなく、東日本大震災の影響を受けた学校における中・長期的な支援にむけて利用可能な資料を作成し、研修会、相談、コンサルテーション等で活用することを目指した。岩手県、福島県、宮城県に於ける研修会で、学校安全の推進のための取り組み、トラウマケアに向けた取り組みの進め方などについて配布資料を作成し、参加の教職員に向けて講義する機会を持った。また、岩手県沿岸部、福島県の学校訪問の機会には、学校コンサルテーションや個別の事例についての相談活動において、取り組みの成果を生かすように助言を行った。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

平成28年度の研究実施計画に沿って、介入的実践が進行し、随時、教職員や保護者を対象にしたコンサルテーションが実施できた。さらに、研修会やコンサルテーションにおいて、研修成果の活用や普及を進めている。

今後の研究の推進方策

介入的支援の実践について、支援一覧表にそって実践を継続する。実践的介入について検証を試みる。さらに、教職員研修等の機会をとらえて実践成果の活用と普及に努め、評価を受ける。国内外の学会に参加することで実践内容やこれまで得た評価内容について報告する機会を活用し、外部からの評価を受ける。あわせて、介入的支援の実践について公表して普及する機会とする。

次年度使用額が生じた理由

支出予定の旅費について、天候不良のため、経路及び滞在日数を変更せざるを得なかった。その際に、予定していた旅費と実際の旅費に差額が生じた。

次年度使用額の使用計画

本年度の旅費などと合算して、使用する予定である。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2017 2016

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 1件) 図書 (2件)

  • [雑誌論文] 「学校心理士災害支援研修会」の経緯と総括2017

    • 著者名/発表者名
      大野精一、氏家靖浩、瀧野揚三、山谷敬三郎
    • 雑誌名

      日本学校心理士会年報

      巻: 9 ページ: 129-131

  • [雑誌論文] 教育分野におけるトラウマインフォームドケアの概念と展開2017

    • 著者名/発表者名
      中村有吾, 木村有里, 瀧野揚三, 岩切昌宏, 一谷紘永
    • 雑誌名

      学校危機とメンタルケア

      巻: 9 ページ: 103-117

  • [雑誌論文] School-based intervention for long-term recovery from trauma-related distress in a Japanese school2016

    • 著者名/発表者名
      Takino, Yozo, Iwakiri, Masahiro
    • 雑誌名

      International Journal of Psychology

      巻: 51(Supplement S1) ページ: 657

    • 査読あり
  • [図書] 危機支援、石隈利紀, 大野精一, 小野瀬雅人, 東原文子, 松本真理子, 山谷敬三郎, 福沢周亮 (編), 学校心理学ハンドブック 第2版 (pp. 222-223).2016

    • 著者名/発表者名
      瀧野揚三
    • 総ページ数
      236
    • 出版者
      教育出版
  • [図書] 危機対応チームにおけるコーディネーション、石隈利紀, 大野精一, 小野瀬雅人, 東原文子, 松本真理子, 山谷敬三郎, 福沢周亮 (編), 学校心理学ハンドブック 第2版 (pp. 172-173).2016

    • 著者名/発表者名
      瀧野揚三
    • 総ページ数
      236
    • 出版者
      教育出版

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公開日: 2018-01-16  

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