研究実績の概要 |
(研究1)-(1) 相互協調的・相互独立的自己観の発達について検討した。【方法】小学生1,489名,中学生1,224名,高校生2,985名の計5,698名を対象とした質問紙調査。調査内容は,相互独立性・相互協調性尺度20項目など。【結果】[性別×学校種×自己観]の3要因分散分析の結果,どの学校段階においても独立的自己観は男子>女子,協調的自己観は男子<女子であること,また,男子小学生を除いて,独立的自己観<協調的自己観であることが示された。また男女ともに,中学校段階において協調的自己観が最も高まることが示された。【結論】男女いずれも協調的自己観が優勢となる中で自己意識が高まることが明らかとなった。中学校段階において,人間関係の維持を最優先させる形で自律性が高められることが示唆された。 (研究1)-(2) 親の発達期待と自己の抱く理想自己に対するそれぞれの態度について検討を行った。【方法】中学生1,081名,高校生647名,多部制高校生346名,大学生348名の2,422名を対象とした質問紙調査。調査内容は,親の理想自己および自ら抱いている理想自己の内容とそれぞれに対する態度と評価など。【結果】①理想自己の記述数は,男子は親>自分,女子は親<自分であった。②各理想自己に対する「なりたい」気持ちの強さは,全体として親<自分,「あてはまる」に親>自分であった。【結論】親の理想を認知しながらも,自分の理想に対する態度とは異なる態度を示していること,親の理想にはあてはまるが自分の理想にはまだあてはまらない,だが,親の思う理想よりも自分の思う理想により近づきたいと思っていることが明らかになった。 (研究1)-(3) アイデンティティ発達を探求および獲得の2軸からとらえ、その変化の様相を追跡的に検討した。【方法】高校1,2年生を対象に,質問紙調査を行った。【結果】次年度において報告する。
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