本研究の目的である発達障害傾向のある子どものよりよい支援に向けた医療と教育を結ぶ情報共有シートの開発に先立ち教師に質問紙調査を実施した。その結果,困難感以外にも長期的視点からの医療の必要性と連携ツールの要望,連携の難しさの具体的内容が明らかになった。これらを踏まえ専門家と教師との協議後子どもの状態を共有するシートを作成した。5モデル校で実施後のアンケートでは4回以上使用した教師はその有効性を高く評価し,モデル校からは校内での共通理解と医療連携に役立つと報告を受けた。以上より,本シートは校内支援体制を構築しながら医教連携による医学的見地に基づいた支援を行うための一方略となり得ることが示された。
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