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2017 年度 実績報告書

項目反応理論を利用した情動認知検査の開発

研究課題

研究課題/領域番号 15K04075
研究機関九州大学

研究代表者

中村 知靖  九州大学, 人間環境学研究院, 教授 (30251614)

研究期間 (年度) 2015-04-01 – 2018-03-31
キーワード教育測定・評価 / 心理測定 / 項目反応理論 / 表情認知 / 情動認知
研究実績の概要

微表情を利用した表情認知検査開発のための刺激呈示法の検討
微表情とは持続時間が500ms以下の表情で、表出者が隠蔽を試みている情動を表しているとされる。これを読み取ることも広い意味で表情認知とも言え,相手の情動を理解する重要な能力とも考えられる。しかしながら,微表情をの刺激呈示法については確立された方法がなく,今回,画像を連続呈示するアンサンブル知覚を利用して,微表情刺激を作成した。具体的には,11段階のモーフィング画像を4段階目以前と5段階目以降に区分し前後で基本6表情を組み合わせるものである。実験の結果,笑顔の微表情条件では他の微表情条件と比べると画像全体通じての表情が相対的にポジティブな表情として評価されることが明らかになり,アンサンブル知覚による方法が微表情刺激呈示法として有効であることが確認できた。今後,微表情に関する評定課題を検討し,微表情認知検査の開発へと繋げる予定である。
本研究課題では研究期間全体を通じて表情を中心に情動認知検査の開発を試みた。集団式表情認知検査に関する研究では,小中学校での対人関係能力育成プログラムの効果測定に有効であるかを確認するため,対人関係能力育成プログラム実施校において表情認知検査を実施した。その結果,表情認知能力に関しては実践校がそうでない学校より能力値が低いという結果が見られた。表情認知に敏感であることが必ずしも社会的に適応的だとはいえず,むしろ中庸である方がよいとも考えられる。場面想定による情動理解検査の試作版の開発では,場面によって登場人物の情動理解に対する困難度が異なることが明らかとなり,検査開発の可能性を確認することができた。今後,上記の表情認知,情動理解,微表情を統合的に扱った検査の開発を行う予定である。
研究協力者:茶谷研吾(九州大学大学院人間環境学府)

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2018 2017

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (4件)

  • [雑誌論文] 探索的因子分析と確認的因子分析の活用2018

    • 著者名/発表者名
      中村 知靖
    • 雑誌名

      児童心理学の進歩

      巻: 57 ページ: -

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 書評 『複雑さに挑む科学 ー多変量解析入門ー』柳井晴夫・岩坪秀一(著)2017

    • 著者名/発表者名
      中村 知靖
    • 雑誌名

      日本テスト学会誌

      巻: 13 ページ: 90-91

  • [学会発表] 学力向上達成による学習スタイルと学習意欲の変容2017

    • 著者名/発表者名
      島袋恒男・中尾達馬・中村知靖
    • 学会等名
      日本心理学会第81回大会
  • [学会発表] 微表情が人物の信頼性判断に及ぼす影響2017

    • 著者名/発表者名
      茶谷研吾
    • 学会等名
      日本認知心理学会第15回大会
  • [学会発表] 人物の信頼性判断における微表情の影響2017

    • 著者名/発表者名
      茶谷研吾
    • 学会等名
      日本心理学会第81回大会
  • [学会発表] 表情の感情価と覚醒度判断における微表情の影響2017

    • 著者名/発表者名
      茶谷研吾
    • 学会等名
      日本基礎心理学会第36回大会

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公開日: 2018-12-17  

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