令和元年度の研究実績は次の通りである。 (1)ハンセン病回復者のライフヒストリーの精緻化:前年度から引き続き、これまでの調査から得られたハンセン病回復者に関する情報の整理を行い、回復者の自伝やハンセン病に関する各種資料などを合わせて、ライフヒストリーの精緻化を図った。また、これまでの調査の中から、在郷家族との関係に関する研究成果を『応用心理学ハンドブック』(2020年秋刊行予定)に寄稿した。 (2)ハンセン病回復者の聞き取り調査:(1)に基づいて、回復者3名より補足的な聞き取り調査を行った。聞き取り調査では、最近の在郷家族との関係や、自身の健康問題、そしてハンセン病療養所の将来に関してなどが話題となった。 (3)台湾の日本語世代のライフヒストリーの構築と精緻化:前年度から引き続き、これまでの調査から得らえた台湾の日本語世代に関する情報の整理を行い、各種資料などを合わせて、ライフヒストリーの精緻化を図った。これまでの調査の中から、台湾の日本語世代の生涯の概況を東北心理学会第73回大会で発表した。聞き取り調査を予定していたが、新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、中止することとなった。 (4)台湾の歴史や社会状況等についての調査:前年度に引き続き、台湾の歴史や社会状況等の理解につながる文献や資料等の収集を行った。また、質的研究の方法論に関する文献の収集を行った。
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