若年者の視点での高齢者の世代性(ジェネラティビティ)の特徴を明らかにするために、若年者が高齢者からどのようなものを継承したいのかを明らかにするために、「高齢者から学びたいこと、教えてほしいこと」についての調査を実施した。またその際、高齢者の存在に対する考え方を理解するために、高齢者に対して「好ましく思っているところ」と「好ましく思っていないところ」についても併せて調査を行った。 調査対象者は大学生89名(男性28名、女性51名、不明10名)であり、自由記述により回答を求めた。得られた自由記述のデータの中から、「高齢者から学びたいこと、教えてほしいこと」「高齢者を好ましく思っているところ」「高齢者を好ましく思っていないところ」と判断された具体的箇所を抽出した。 抽出されたそれぞれを分析するために、「高齢者から学びたいこと、教えてほしいこと」は8カテゴリー、「高齢者を好ましく思っているところ」は7カテゴリー、「高齢者を好ましく思っていないところ」は7カテゴリーに対して数量化Ⅲ類を行った。解析の結果、解釈可能性の点から、すべて2軸を採用した。「高齢者から学びたいこと、教えてほしいこと」の主なものは、「知恵、知識・教養」「戦争、歴史」「家庭生活、家事」であった。「高齢者を好ましく思うところ」の主なものは、「知識がある」「人生経験が豊か」「優しい、穏やか」であった。「高齢者を好ましく思っていないところ」の主なものは、「自分勝手」「話が通じない」「頑固、ステレオタイプ」であった。 さらに平成27年度~平成30年度までの研究結果を踏まえ、高齢者のライフスタイルを踏まえた心理社会的支援の方法や、高齢者が社会の中で活躍できる場の有り様についての活性化モデルの構築を行った。
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