本研究は、小学校国語科における「文字を書くこと」の指導事項である「筆記具の持ち方」の基礎研究として、教科書の「正しい持ち方」が定着しない原因を解明し、今後の学習指導の改善に資することを目的とした。日本の小学校1年生39名とドイツの初等学校1年生118名、2年生41名を対象に調査した結果、「筆記具の正しい持ち方」は、日本35.9%、ドイツ人児童が大半の学校56.9%、移民児童が大半の学校で17.7%であった。教師による調査から、ドイツ人児童が大半の学校以外では、就学前からの塾や家庭での書字学習経験の影響が認められた。書字の入門期(開始時期)における指導法の検討が必要であることが示唆された。
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