研究課題
本研究は、教授法(高垣)、動機づけ(中西)、理科教育(清水・寺本)、協調学習(白水)、評価(田中)、心理統計(田爪)という、多角的な研究組織を構成し、研究協力者との協議の基に研究を推進した。逐次、研究者と実践者が、プロジェクト会議を開いて改善点をレビューしながら進めることができた。平成27年度は、イノベーティブ・インテリジェンスを育成する要因を組み込んだ、「認知的/社会的文脈を統合した学習環境」を開発した。さらに、その理論的枠組みに基づき、研究者と実践者が協同して小・中学校理科カリキュラムを構築した。平成28年度は、小・中学校の研究協力校において授業を実施し、教授効果を検証することができた。平成29年度は、研究成果を統括し、今日的課題の授業改善に直接的に役立つ、新たな学習環境及びカリキュラムを、学会発表ならびに論文や著書にて公表を行った。本研究では、教育心理学研究の最前線の課題である、「認知論的アプローチと社会文化論的アプローチの統合」という理論的想定を、イノベーティブ・インテリジェンスを育成する要因を組み込んだ、実証的な授業を通してその教授効果を動機づけ研究・協調学習・評価等の観点から多面的に検討を行った。最終年度の平成29年度は、理科教育研究の観点からは、新学習指導要領ハンドブックを編纂し、新学習指導要領における資質・能力と思考力・判断力・表現力を考察した。動機づけ研究の観点からは、協同学習における学習行動に及ぼす動機づけ・社会的スキルの影響を考察した。評価の観点からは、学習評価の視点から「学び方、教え方」を捉え直し21世紀スキルにおける知識活用のとらえ方を考察した。
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