研究課題/領域番号 |
15K04102
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研究機関 | 独立行政法人大学入試センター |
研究代表者 |
荘島 宏二郎 独立行政法人大学入試センター, 研究開発部, 准教授 (50360706)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | センター試験 / テスト理論 / 潜在ランク理論 / 標準化 |
研究実績の概要 |
潜在ランク理論(latent rank theory, LRT)を用いて、大学入試センター試験の主要科目を分析し、データベースを構築することを念頭に研究を行うことが本研究の目的である。本研究では、まず、データを効率よく分析するためのプラットフォームを開発・整備し、その後、分析の枠組みを検討する。しかし、プラットフォームの開発が思いのほか進まなかったため、分析の枠組みを決定することを今年度行うことにした。 今年度は、どのような分析枠組みを用いたら、科目横断的に分析できるかについて、多角的に検討した。検討する点は、標本サイズ、潜在ランク数の範囲、分析方法の種類、事前分布の有無、目標分布の有無などである。 上記のうち、標本サイズは10,000くらいが良いと思われた。科目によって受験者数は異なるので、受験者数が多い科目ほど、潜在ランク数を多くとってしまう。なぜなら、最適な潜在ランク数を情報量基準で決めており、受験者数が多いほど複雑なモデル(潜在ランク数が多いモデル)を選好するからである。したがって、どの科目も受験者数によらず、10,000人の標本をランダム抽出して分析することが良いと判断した。 潜在ランク数の範囲は、おおむね6~30くらいが妥当であると思われた。また、分析方法の種類は生成トポグラフィックマッピング(GTM)を用いることに資、事前分布や目標分布は設定しないことが良いと判断した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本務先である大学入試センターにおいて、センター試験の再設計を行っている最中であり、エフォートを十分に割り当てることができなかった。しかし、当初予定について、おおむね順調に進展していると言ってよい。
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今後の研究の推進方策 |
引き続き、科目横断的に統一的な分析枠組みを検討していき、本年度中に最終決定を行いたい。分析枠組みとは、分析するときの細かい設定をどのようにするか、また、科目ごとに異なる標本サイズをどのように決めるか、などである。その後、分析をしながら、分析プラットフォームを開発しつつ、少しずつ前に進めていきたい。
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次年度使用額が生じた理由 |
本務先である大学入試センターが、センター試験の再設計をしており、思いのほか本務に時間がとられたため、予定していた学会等に参加することができなかったのが主たる原因である。
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次年度使用額の使用計画 |
必要な計算機を購入したり、前年度行けなかった学会に参加・発表するなどして使用させていただく予定である。
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