| 研究課題/領域番号 |
15K04106
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| 研究機関 | 国立研究開発法人国立長寿医療研究センター |
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研究代表者 |
西田 裕紀子 国立研究開発法人国立長寿医療研究センター, NILS-LSA活用研究室, 研究員 (60393170)
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| 研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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| キーワード | 中高年者 / 知能 / 縦断研究 / APOE遺伝子 / 心理社会的要因 |
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| 研究実績の概要 |
本研究課題は、一般地域住民を対象とした学際的縦断研究である「国立長寿医療研究センター・老化に関する長期縦断疫学研究（NILS-LSA）」の一貫として、知能の加齢変化に対するAPOE遺伝子と心理社会的要因の交互作用を検討し、遺伝的なリスクを有していても知的な能力を高く維持し続けるための心理社会的方策を明らかにすることを目的としている。初年度にあたる平成27年度には、以下の研究を進めた。
1．具体的内容：（1）データ収集：NILS-LSAの追跡調査として、個別面接及び質問紙調査により、知能、心理社会的要因、背景要因のデータを収集し､15年間の縦断データベースを構築した。
（2）解析：これまでに蓄積済みのデータを用いて､以下の解析を行った。①成長混合分布モデルを用いて､知能の加齢変化の個人差のパターンを抽出した。その結果､知能の側面によって加齢変化のパターンは異なること､高齢になっても知能を高く維持する高齢者が存在することが明らかとなった。②遺伝的なリスクを緩衝する要因の候補因子を抽出するために、心理社会的特性がその後の知的な能力の低下に及ぼす影響を､一般化推定方程式を用いて検討した。その結果､余暇活動や生きがいとしての趣味､開放性のパーソナリティ､活動能力､ソーシャルネットワークの豊富さが知的な能力を維持するために効果的であることが明らかとなった。
（3）研究発表：上記の解析結果に関して､学会発表を行い､論文を執筆した（投稿準備中）。
2．意義・重要性： 中高年者の知能はサクセスフル・エイジングの重要な資源である。日本国内における知能の加齢変化やその要因に関する実証データはほとんど蓄積されていないことから､縦断データを収集し､知能の加齢変化に関わる要因を明らかにしようとする本研究の意義は大きいと考えられる。
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| 現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成27年度には､NILS-LSAの追跡データの収集を行うとともに､知能の維持・向上に効果的な心理社会的要因の選出を行う予定であった。データ収集に関しては､予定どおり完遂し、15年間の縦断データベースを作成することができた。心理社会的要因に関しては、さらに検討を進めているところであるが、一定の成果を得ることができた。従って、おおむね順調に進展していると判断した。
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| 今後の研究の推進方策 |
今後は、前年度に収集したデータと蓄積済みのデータを用いて、APOE遺伝子型が知能の15年間の加齢変化に及ぼす影響を明らかにする。また、知能の加齢変化に対して、APOE遺伝子型と心理社会的候補要因の交互作用の効果を検討し、APOE遺伝子ε4保有者の知能の加齢変化の個人差に影響する心理社会的要因を見出す。
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| 次年度使用額が生じた理由 |
平成27年度には、本研究課題において使用するパソコン及び周辺機器を購入する計画であったが、以前より使用しているパソコンを使い続けることができたため、その購入を見送った。また、当初の予定よりもデータ収集をスムーズに進めることができ、心理面接に必要な人件費を削ることができた。さらに、平成27年度に参加を予定していた学会が、平成28年度に開催されることとなり（発達心理学会第27回大会）、旅費及び大会参加費を繰り越すこととなった。
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| 次年度使用額の使用計画 |
設備備品（研究関連の書籍、前年度に購入する予定であったパソコン及び周辺機器）、消耗品（資料整理用事務用品）の購入、国内学会の旅費（前年度参加予定であった1件を含む2件）、国際学会の旅費（2件）、データ整理等人件費、研究成果発表に関わる費用（英文校閲費用・学会誌投稿料・大会参加費）として使用する予定である。
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