研究実績の概要 |
<OCD患者群>35名:A病院の外来患者のうち、SCID(Structured Clinical Interview for the DSM-IV Axis I Disorders)を使用した精神科医による構造化面接においてOCDと診断された患者のうち、本研究に文書で同意した者。18歳から50歳までの男女とし、WAIS-IIIにてIQ80以上、およびY-BOCS(Yale-Brown Obsessive Compulsive Scale:)によるアセスメントにおいて中等度以上(17点以上)の重症度の強迫症状を有する者。 ≪対象除外基準≫脳器質疾患、頭部外傷、神経疾患、統合失調症圏、物質依存、重篤な身体疾患の合併。≪ASDの評価≫ 自閉性スペクトラム指数(AQ-J : autism spectrum quotient-Japanese version)及び詳しい発達歴の聴取に上記の尺度を参考にして複数の精神科医がDSM-Vにより診断。ASDを併存するOCD群とASDを併存しないOCD群の2群とした。 <健常群>29名:患者群と年齢及び性別をマッチさせた18歳~50歳までの男女。全般的知的機能: WAIS-R簡易版でIQが80以上。MINI(The Mini-International Neuropsychiatric Interview: 精神疾患簡易構造化面接法)により精神疾患を患っていないことが確認でき、社会適応が良いと判断される者。MOCI(Mausley Obsessive-Compulsive Inventory: モーズレイ強迫観念・強迫行為調査票<OCDのスクリーニング機能をもつ>)及びOCI-Rによりカットオフ値以下と確認されている者。<神経心理検査>CANTAB, CogState, WCST, Stroop Test, Trail Making Test, IGT, Eyes Test <データ解析>① WAIS-IIIのスコアの二群比較【OCD(ASD+)vs OCD(ASD-)】② 全神経心理検査の三群比較【OCD(ASD+),OCD(ASD-),HC】を検討。総括として、研究実施に至る研究の目的及び意義、文献レビュー、及びデータ解析からの考察を博士論文としてまとめ公表予定。
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