研究課題/領域番号 |
15K04127
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研究機関 | 山口大学 |
研究代表者 |
大石 英史 山口大学, 教育学部, 教授 (80223717)
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研究分担者 |
川崎 徳子 山口大学, 教育学部, 准教授 (00555708)
押江 隆 山口大学, 教育学部, 講師 (20634752)
小杉 考司 山口大学, 教育学部, 准教授 (60452629)
小野 史典 山口大学, 教育学部, 講師 (90549510)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 尺度開発 / 支援プログラム / 大学生 |
研究実績の概要 |
平成27年度は,研究の第一段階としてアセスメントツールの開発期と位置付けた。アセスメントツール開発部として,これまでの研究蓄積として開発の終わった小中学校における児童生徒の学校適応間尺度を土台に,大学生を対象とした大学適応感尺度の開発を行った。第一段階として,本学の100名弱を対象とした予備調査を行い,先行例との尺度構造的一貫性を検証したところ,一貫しない箇所が見受けられたため,再度項目を洗練された第二予備調査の計画立案に入った。 合わせて,基準関連妥当性を検証するための心理尺度を検証している段階で,平成28年度初頭には第二予備調査を実行し,本研究課題の最終目標である社会人基礎力等,キャリアカウンセリングに用いることができる尺度の開発を行うことができるものと考えている。実践プログラム開発部については,ピア・サポートによる学生相談グループを押江が運営しており,その手法としてこれまで『当事者研究サポート・グループ』を採用してきたが,これは精神障害当事者グループ由来の技であり,難しい場面がみられることもあった。そこで現在,当事者性を前提としない技法として新たに『リフレキシブPCAGIP』を開発している。その成果を日本心理臨床学会第35回大会にて発表予定である。また,心理療法の過程の一つであるフォーカシングにおいて,フォーカサー(話し手)とリスナー(聴き手)の相互作用に着目し,その効果測定を行った。具体的には,不安の程度(状態不安・特性不安)を測定する質問紙であるSTAIを用いて,フォーカシング前後でのフォーカサーおよびリスナーの不安傾向の変化を検討した。これらの成果の一部は九州心理学会第76回大会にて発表した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
当初の予定では尺度の文言を簡単に調整するだけで,大学生用尺度に応用可能であると考えられたが,従来尺度と異なる反応をする箇所が少なからず見られたため,尺度開発については項目をもう一度洗練させるべく追加的予備調査をする必要が生じた。 全体の計画的遅れとしては軽微で,28年度中に行う予定であった他尺度の開発と合わせて進めることで,この遅れは挽回できるものと考えている。
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今後の研究の推進方策 |
アセスメントツール開発部については,基準関連妥当性を検証するための他尺度の収集と調査実践を計画している。やや遅れは見られるものの,大学生の大学適応感尺度の改訂版調査と時期を合わせることで尺度を洗練し,最終的なアセスメントツールの完成を遅れることなく進める計画である。 実践プログラム開発部のピア・サポートやグループ・アプローチによる基礎資料の収集は順調で,これを基に大学生に対するキャリア志向的カウンセリング技法についての蓄積を進めていく予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
次年度使用額は241円であり,様々な支出の端数の蓄積が生じたものと考えている。
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次年度使用額の使用計画 |
ほぼ予算計画通りの執行になっており,今年度も同額の端数が発生する可能性があるが,その他の経費で相殺する形で予算執行できると考えている。
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