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2017 年度 実施状況報告書

高次脳機能障害の評価とリハビリテーションにおける新技法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 15K04130
研究機関愛媛大学

研究代表者

山下 光  愛媛大学, 教育学部, 教授 (10304073)

研究期間 (年度) 2015-04-01 – 2019-03-31
キーワード神経心理学 / 高次脳機能障害 / 利き手 / 利き足 / 空間性注意 / ADHD / 音読 / 黙読
研究実績の概要

(1)下肢のラテラリティには、移動に優れた利き足と、安定に優れた軸足があり、両者は相補関係にあるが、質問紙研究では全ての動作を同じ足(多くは右)で行うと回答する者も多く、質問紙の回答が実際に使用する足を反映していない可能性が指摘されていた。そこで大学生男女各60名に、Eliasら(1998)のWaterloo Footedness Questionnaire (WFQ-R)を回答させた後、その各下位項目の動作を実際に行わせ、再度WFQ-Rを回答させた。その結果10項目の全てで1回目と2回目と回答の間に有意な相関が得られた。質問紙には十分な信頼性と妥当性があり、利き足と軸足を区別して用いる者と、すべての動作を一方の足で行う者がいることが分かった
(2)不注意、多動/衝動性を特徴とするADHD者では空間性注意の右方偏位が存在するという研究が、原因や神経基盤を考える上で注目されている。今回の研究では、大学生の男性119名、女性207名に対して空間性注意の方向性を測定するgrayscales task(GS)と、ADHD自己評定尺度(ASRS)を実施し、方向性バイアスとADHD特性の関係を検討した。ASRSの因子分析では、不注意と多動/衝動性の2因子が抽出された。各因子の合成得点とGSの相関を男女別に検討した結果、男性の不注意得点との間にのみ有意な正の相関が認められ、不注意傾向が強い男性では空間性注意の左方バイアスが生じ難い可能性が示された。
(3)音読と黙読が短文の記憶に及ぼす影響について、大学生を対象とした実験的研究を行った。普段から単語や文章を憶える時に音読する者24名と、黙読する者14名に、10個の短文から構成される短文リストを音読と黙読で読ませ、直後再生の成績を比較した。その結果、普段の読みのスタイル(音読、黙読)に関わらず、黙読と音読での再生成績の差は認められなかった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

(1)研究代表者の多忙と、病気(椎間板ヘルニア)・怪我(左肩腱板断裂)による通院加療のため研究時間が不足した。
(2海外の雑誌に複数の論文が投稿中であり、まだ審査が終わっていない。

今後の研究の推進方策

現在投稿中の論文を含め、国際的な学術雑誌への論文の掲載に努力する。

次年度使用額が生じた理由

(1)研究代表者の多忙と、病気(椎間板ヘルニア)・怪我(左肩腱板断裂)による通院加療のため研究時間が不足した。
(2海外の雑誌に投複の論文が投稿中であり、校閲,掲載に関する費用が必要である。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2017

すべて 雑誌論文 (2件) 学会発表 (3件)

  • [雑誌論文] 音読と黙読が短文の記憶に及ぼす影響の検討2017

    • 著者名/発表者名
      鹿島弓聖、山下 光
    • 雑誌名

      愛媛大学教育実践センター紀要

      巻: 35 ページ: 29-36

  • [雑誌論文] 心理学者から見た神経心理学的評価2017

    • 著者名/発表者名
      山下 光
    • 雑誌名

      認知神経科学

      巻: 19 ページ: 125-132

  • [学会発表] 心理学者からみた神経心理学的検査2017

    • 著者名/発表者名
      山下光
    • 学会等名
      第22回認知神経科学会学術集会
  • [学会発表] 利き足質問紙の回答は本当に利き足を反映しているのか?2017

    • 著者名/発表者名
      山下光
    • 学会等名
      第41回日本神経心理学会学術集会
  • [学会発表] 大学生のADHD特性とgrayscales taskの反応について2017

    • 著者名/発表者名
      山下光
    • 学会等名
      第41回日本高次脳機能障害学会学術総会

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公開日: 2018-12-17  

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