• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2016 年度 実施状況報告書

里親養育と実親をつなぐ支援プログラムの開発研究

研究課題

研究課題/領域番号 15K04132
研究機関九州大学

研究代表者

松崎 佳子  九州大学, 人間環境学研究院, 教授 (30404049)

研究分担者 大場 信恵  九州大学, 人間環境学研究院, 教授 (00403931)
入濱 直美  西南学院大学, 公私立大学の部局等, カウンセラー (20728448)
増田 健太郎  九州大学, 人間環境学研究院, 教授 (70389229)
研究期間 (年度) 2015-04-01 – 2018-03-31
キーワード里親支援 / 実親 / 児童相談所
研究実績の概要

わが国の里親委託率は約16%と欧米先進諸国と比べると最低である。その背景に、実親の里親委託への抵抗があることや里親制度自体の理解が進んでいないこと、里親養育のコンピテンシーも問われている。従って、本研究では、実親と里親養育をつなぐにはどのような課題があるかを明らかにし、里親養育の質を高め、実親支援を包括した里親養育のあり方を研究することで里親委託推進を図ることを目的としている。
平成28年度は、平成27年度に全国208児童相談所に実施した里親養育と実親との関係性に関する調査の分析を行った。124ヶ所の児童相談所から回答があり、回収率は、59.6%であった。中央児童相談所で県としてまとめて回答したところがあること、県単位で見ると47都道府県中、45県から回答を得ていることから、ほぼ全国の児童相談所の状況の調査ができていると考えられた。里親への委託児童数は3225名で、うち実親との交流がある子どもは621名、19.3%であった。ファミリーホーム(FH)への委託児童は834名で、交流がある子どもが399名、47.8%であり、里親とFHでは差が認められた。交流が行われていない理由として、交流を望めない子どもを委託」が84.6%、「実親のニーズがない」が56.1%、「実親との交流が不適切」が48.8%であり、施設入所に比べ里親委託については実親との関係性が大きく影響していることが示唆された。
また、6月20日~6月29日、里親養育の先進地であるオランダ・アムステルダムの里親支援センターPARLANを訪問するとともに、SOS子どもの村世界大会(インスブルック)に参加し、世界134国にあるSOSの取り組み及び社会的養護の将来・SOSの今後について視察した。また、移民家族の地域支援を行っているSOSこどもの村フランクフルトを視察した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

オランダの里親支援機関等への視察は、欧州においてもここ数年里親養育における実親支援が強化されてきていること、虐待による分離介入だけなく、子どもの自立支援を踏まえた実家族支援が強化されてきていることを実感した視察であった。日本においても、平成28年6月児童福祉法の改正が行われ、実家族支援、里親養育の推進が明示されたことからも、今回の調査や視察は時期を得たものであり、先駆的なものとなっていると考えられる。
児童相談所への調査とともに、実親との交流を行っている里親への調査も実施でき、回収率は59.2%であった。これらの調査結果のまとめを平成29年6月の第18回日本子ども家庭福祉学会において口頭発表予定であり、アクセプトされている。

今後の研究の推進方策

平成29年度は、これまでの調査の分析をさらに進め、里親養育のあり方を実親との関係性を踏まえて検討する。
児童相談所など関係機関との連携により、里親養育と実親との関係性、交流についての事例検討を行い、実親支援のあり方とともに、里親に求められるコンピテンシーについて質的研究を行う。
研究成果を学会等で発表するとともに報告書を作成する。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2016

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] 里親のコンピテンシーに関する調査研究(Ⅱ)ー自由記述が伝える里親の実像ー2016

    • 著者名/発表者名
      入濱直美、松崎佳子
    • 学会等名
      第17回日本子ども家庭福祉学会全国大会
    • 発表場所
      日本社会事業大学、東京都清瀬市
    • 年月日
      2016-06-04 – 2016-06-05

URL: 

公開日: 2018-01-16  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi