不眠症を訴える心療内科受診者では,受診時に既に睡眠剤を服用していることが多い。また不眠症だけでなく,他の身体疾患を併存していることが多い。このような患者への自律訓練法の効果を検討した。 睡眠剤を服用している2名の患者は,ATを日常的に行うことで,薬物の服用を中止,あるいは減量できた。不眠症を抱え,かつ併存症状を有する患者への集団ATでは,症状に関するコントロール感が有意に改善した。 不眠症患者の服用している薬物減量に関して,ATは有効な方法であった。またATは患者の症状コントロール感を高めた。ATは不眠症の治療として有効であり,今後RCT等,更なる検討の必要性が示唆された。
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