研究課題/領域番号 |
15K04142
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研究機関 | 政策研究大学院大学 |
研究代表者 |
山口 綾乃 政策研究大学院大学, 政策研究科, 研究助手 (40592548)
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研究分担者 |
小塩 真司 早稲田大学, 文学学術院, 教授 (60343654)
阿久津 聡 一橋大学, 大学院国際企業戦略研究科, 教授 (90313436)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 多文化主義 / 消費行動 / 楽観性 / 悲観性 / ウェルビーング / 健康 |
研究実績の概要 |
山口と共同研究者らが平成28年に行った2つの主要研究についての研究成果、考察、発展をここに説明する。研究全体といたしましては、研究1で、サービスの現場での消費行動における面子とタスクというコミュニケーション行動に注目した。そこで、サービスにおけるコミュニケーション行動に関して検証した。友人や家族とサービスを利用する際に、日米で面子に対して違いがあることが判明した。研究2では、多文化主義がどのように心理的ウェルビーングに影響を与えているのかという検証を日米比較で行った。その結果、多文化主義傾向が高い日本人、米国人は、ポジティブな側面からなる心理的ウェルビーングに強い影響があるということが判明した。したがって、グローバル化が進む中、多文化主義の傾向が必要とされるのではないかと論文内で提言した。さらに、これまでの研究の多くが大学生を調査対象としてきたのに対して、今回の研究においては、中高年層や国全体を調査の対象とした。その理由は、少子高齢化が進む日本で、世界で一番高齢化が進むといわれている。人生後期・晩年への展開期であり、日本において男性では自殺率が高く、女性では抑鬱傾向が強くなっており、幸福感と健康観において重要な年代だと考えているからである。幸福感や健康観を理解することは、高齢化社会における幸福感、健康観や生きがいを理解し、疾病などを予防することにつながると考えた。中高年期を対象とした幸せ研究を行うことで、中高年だけではなく、高齢者の生きがい指標を作成することにつながり、日本の高齢化社会問題を取り組む一助となれば幸いである。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
論文を作成するために英語論文校正サービスを利用したことにより、当初の計画より研究が進展したため。
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今後の研究の推進方策 |
前年度得られた知見をさらに発展させていくように手続きを進める。①多文化主義、心理的ウェルビーング、サービスにおける消費行動などをそれぞれ発展させモデル化する。②定性調査であるテキスト分析を行い、定量調査である統計分析と絡めて分析を進めていく。③学問の体系確立:多文化主義の新しい変数を入れることにより、多文化主義から見た新しい心理社会的モデルを構築する。そして、それをもとに論文化し、国内外の学会で発表する。さらに、国際ジャーナルに論文を投稿する。
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次年度使用額が生じた理由 |
英文の校正代金の費用や統計分析の費用が想定よりも少ない額に抑えられた。
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次年度使用額の使用計画 |
研究成果の公表のために国際学会への参加や国際ジャーナルへの論文投稿をする費用に加え、海外での研究会に参加するための費用や、アメリカの大学院教授を日本に招聘する費用として使用する。
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