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2018 年度 実績報告書

司法領域におけるアセスメントとフィードバックの研究

研究課題

研究課題/領域番号 15K04149
研究機関和光大学

研究代表者

熊上 崇  和光大学, 現代人間学部, 教授 (40712063)

研究期間 (年度) 2015-04-01 – 2019-03-31
キーワード心理アセスメント / フィードバック / 司法心理学 / 情報共有
研究実績の概要

平成30年度は,司法領域の心理アセスメント結果のフィードバックの目的と有無について,日本犯罪心理学会会員にアンケート調査をした結果を分析し,第56回日本犯罪心理学会において発表した。回答者数は124人であり,回収率は14.5%であった。
司法心理アセスメントの目的を問うために,以下の質問項目で重要だと思う順番を記入してもらった。ところ,多い順に(1)裁判所の処遇判断のため,(2)矯正施設の支援に活用するため,(3)アセスメントを受けた本人に理解してもらうため,(4)矯正施設出所後の保護観察所や地域生活支援機関に活用するた,(5)アセスメントを受けた本人の保護者・支援者に理解してもらうため,であった。このことから,司法心理アセスメントは,あくまで裁判所の判断や処遇のためであり,本人や支援者への理解促進は優先度が低いことが明らかになった。
また,司法心理アセスメント結果を,本人や保護者に対してフィードバックを実施しているのが67人(63%),実施なしが40人(37%)であった。
フィードバックを実施する理由に関する自由記述(データ数37)は5つのカテゴリーに分けられた。その内容は,「自己理解を促す,特性を理解する」(17),「今後の生活や更生,多機関連携につなげる」(9),「フィードバックは検査者の義務,倫理的配慮」(7),「保護者のため」(1),「その他」(3)であった(カッコ内はデータ数)。
確かに司法心理アセスメントは,裁判や処遇のためではあるが,大切なのは,裁判や刑事処遇が終了後に,本人が地域で支援を得ながら生活し,再犯をせずより良い生活を送ることである。そのためには,地域生活定着支援センターや地域の支援機関および本人に対しても,司法心理アセスメント結果を情報共有し,福祉機関や医療機関とスムーズな連携を行う仕組みの構築が望まれることを論じた。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2018

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] 心理検査の検査者は子どもにどのようにフィードバック面接をしているか2018

    • 著者名/発表者名
      熊上崇,熊上藤子,熊谷恵子
    • 雑誌名

      K-ABCアセスメント研究

      巻: 20 ページ: 27-40

    • 査読あり
  • [学会発表] 司法領域の心理アセスメントとフィードバック2018

    • 著者名/発表者名
      熊上崇
    • 学会等名
      日本犯罪心理学会

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公開日: 2019-12-27  

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