本研究は,少年事件や刑事事件において,心理アセスメント結果をどのようにフィードバックして,その後の本人や家族の生活支援につなげるか,その理念や方法への示唆を探索的に明らかにしたものである。 日本犯罪心理学会会員への調査では,心理アセスメントは裁判所の決定や矯正施設の指導のためという傾向が見られた。一方,地域生活定着支援センター等への調査では,裁判所や矯正施設と心理アセスメント結果の情報共有が行われず,退所後に生活が不安定になるケースがあること見られた。今後は,本人の自己理解や生活支援のために司法・矯正機関と地域生活定着支援センターなどが心理アセスメント情報を共有するしくみの構築が望まれる。
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