本研究の結果から,大学生の未来展望を未来のイメージで操作可能であることが示された。未来展望は若者のキャリア検討時に重要であり,本研究の知見は若者のキャリア教育に適用できる。遠い未来のイメージがポジティブ情報やネガティブ情報の処理にあたってバイアスをもたらすという知見も,キャリアを考える際どの未来時点の想定にはどのような情報を提供するべきかを考える一助となると思われる。さらに本研究は不安や抑うつなどの精神病理傾向を準臨床群的にとはいえ扱っている。精神病理傾向の統制の下精神的に不安定な者は未来を広く捉えにくいことが示されたので,キャリア教育時にも不安や抑うつの傾向に留意すべきという根拠となる。
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