本調査は女性を標的としているため、まず女性の特徴を明らかにするため、一般人の男女を対象(n=600)に調査を行い、MillerやGilliganの主張のとおり、女性は他者関係を重視することを確認した。次に、一般女性(n=500)と更生保護法人在所中の主として窃盗事犯女性 (n=36)を比較し、女性犯罪者はEPSI尺度で測定した信頼性、統合性、自立性、自主性が乏しく、AAQ-Ⅱで測定した現実受容傾向が低いこと、また、Maslowの欲求段階説のより下位段階の欲求に関心がある等の結果を得た。加えて、女性犯罪者の面接結果からは、刑務所初入群の方が累入群よりも肯定的な語りが多いことも示された。
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