研究課題/領域番号 |
15K04160
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研究機関 | 鳥取大学 |
研究代表者 |
石本 雄真 鳥取大学, 大学教育支援機構, 講師 (90612309)
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研究分担者 |
松本 有貴 千葉大学, 子どものこころの発達教育研究センター, 特任講師 (90580887)
山根 隆宏 奈良女子大学, 生活環境科学系, 講師 (60644523)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 認知行動療法 / 放課後等デイサービス / 心理教育 / 不安 / 発達障害 / 特別支援教育 |
研究実績の概要 |
プログラム開発およびリクルーティング、2度の予備調査を行った。プログラム開発については、これまでの国内外の事例を参考にし、対象となる発達障害児に適した形で、かつ心理学の専門家でなくとも実施可能なプログラムとして、基本的な枠組みを決定した。扱う内容、セッション数、1セッションあたりの時間、セッションの基本的な構成等について確定した。リクルーティングについては、関係機関および地域の特別支援学級、放課後等デイサービス実施事業者にプログラムの意義と概要を説明し、協力依頼を行った。特別支援学級をもつ学校3校、放課後等デイサービス25事業所から介入研究の承諾を得た。予備調査1として、放課後等デイサービス264事業所に、運営体制、発達障害児の不安について職員がどのように認知しているのか、児童支援および保護者支援の現状等に関するアンケートを配布し、95事業所から回答を得た。予備調査2として放課後等デイサービス41事業所の職員および利用する子どもの保護者に子どもの不安に関するアンケート(職員に対しては、発達障害児の不安についてどのように認知し対応しているのかを尋ねた。保護者に対しては、既存の尺度を用いて、子どもの不安の程度を尋ねた)を配布し、25事業所から回答を得た(継続して回収中)。また、関連学会の大会に参加し情報を収集するとともに、学会大会においてシンポジウムを開催し外部からの意見を集めた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
次年度の研修、およびプログラム実施に向けて、プログラムの開発が概ね順調に進行していること、介入研究の協力校および協力事業所が当初の予定よりも多く得られていること、予備調査について、回収率の低さが課題ではあるものの概ね順調に進行していること、学会大会におけるシンポジウムの開催や情報収集が概ね順調に進行していることが理由として挙げられる。
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今後の研究の推進方策 |
28年度には研修および教職員によるプログラムの実施、効果検証のための質問紙調査が実施される。研修は、参加学級、参加施設をそれぞれプログラム実施群、待機群に分けた上で、異なる時期に行う。プログラム実施群については1学期中に研修を実施する。待機群については2学期または3学期に研修を実施する。研修は実際に学級または施設でプログラムを実施する教職員を対象とするが、その他の教職員にも広く参加を呼びかけ、プログラムについての意義の浸透や、プログラムを実施する教職員へのサポートを期待する。研修が終了後、各教職員は担当の学級または施設でプログラムを実施する。プログラム実施中に生じる疑問点やトラブルに対しては随時研究代表者や研究分担者が対応し、スムーズなプログラムの実施を支援する。また、参加校、参加施設の管理職に対しては、プログラムの実施をサポートしてもらえるよう依頼を行う。効果検証の質問紙調査については、プログラム実施群、待機群ともに、プログラム実施群がプログラムを開始する直前、プログラム実施群がプログラムを終了し待機群がプログラムを開始する直前、待機群がプログラムを終了した直後、年度終了時の4時点で行う。児童を対象とした調査については保護者に回答を依頼する。また、プログラムの実施前後に教職員に対しても質問紙調査を行い、プログラムの評価および教職員の効力感等の変化を検証する。回収した質問紙は随時データ入力にまわし、データがそろい次第その時点における分析を行う。同時に国内外の学術集会に参加し、実施状況について報告するとともに、最新の知見を得る。 29年度には、主に結果の分析および発表、まとめが実施される。加えて、フォローアップの調査や一部の事業所の介入実践、実施後の教職員への調査が実施される。結果については、国内外の学術大会および学術雑誌に報告を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
(1)国際学会への参加を行わなかったため、旅費が予定よりも少額になったこと(2)申請時と所属機関が変わったことで研究環境が変わり、予定していた物品の購入が不要になったこと(3)外注を予定していた作業を自分で行ったため、人件費が発生しなかったこと(4)申請時と所属機関が変わったことで、来年度以降の研究において、申請時に計画していたものよりも旅費が必要であることが予想されるため、経費の削減に努めたこと
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次年度使用額の使用計画 |
上述の通り、介入実践協力機関への旅費および学会大会参加への旅費が申請段階よりも必要であることが見込まれるため、それらへの支出が予定される。 その他、以下の事柄への支出を計画している。 (1)プログラム作成に伴う教材作成および研修資料作成に関する費用(2)データ入力に関する外注費用(3)関連書籍の購入(4)データ分析ソフトの購入(5)アンケート回収等に関わる郵送費(6)打ち合わせ時の会議室利用料
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