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2018 年度 実施状況報告書

不健康行動の習慣化防止におけるポジティブ感情の役割と一次予防アプローチ法の確立

研究課題

研究課題/領域番号 15K04165
研究機関関西学院大学

研究代表者

大竹 恵子  関西学院大学, 文学部, 教授 (70405893)

研究期間 (年度) 2015-04-01 – 2020-03-31
キーワード健康行動 / 喫煙行動 / 食行動 / ポジティブ感情
研究実績の概要

平成30年度は、これまでの研究成果を受けて、不健康行動の習慣化防止という積極的な健康行動の維持にポジティブ感情が与える影響と役割について検討を行った。喫煙行動に関する研究では、非喫煙者を対象にした実験(受動喫煙に関する意識や態度から定義づけした前熟考期のステージ分類をもとにIATを用いて喫煙画像に対する潜在的態度について検討した実験)を、喫煙者に対しても実施し、喫煙行動が習慣化している/していないという対象者の違いからも比較検討を行った。
食に関する研究では、食べ物の新規性に関する要因をとりあげ、ポジティブ情動やおいしさといった食への意識等に及ぼす影響について実験的に検討した。この他、ストレスや心身の健康に大きな影響を与えると考えられる対人関係や行動にも着目し、ポジティブ感情の表出の有無やポジティブ感情に関する共感性といった要因が、他者の印象や他者に対する行動(例:向社会的行動)にどのような影響を与えるのかという点についても研究を試みた。
これらの研究成果は、2018年度の学会発表だけではなく、シンポジウムの企画等も通して公表し、ポジティブ感情に関する実験のデータの一部は、現在、学術誌に投稿中である。また、次年度以降も成果発表を予定している。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

平成30年度は、研究実績でも記載したように、喫煙と食行動に関する実験を継続して行い、さらにポジティブ感情の機能についても対人関係との関係に注目して実験を行った。
また、これらの研究成果は、学会発表や学術誌への論文投稿という形で公表した。以上の状況から、「おおむね順調に進展している」と判断した。

今後の研究の推進方策

これまでの研究では、健康行動の変容ステージを細分化して検討してきたが、一次予防対策を行う上で個人の認知として、顕在意識だけではなく、潜在意識について詳細に検討する必要性が示唆された。また、ストレス対処としても対人関係についても考慮した検討が必要だと考えられた。本実験結果を応用研究に適用するためには、対象者及び実験条件の違いを含めて再現性を確認する必要があると考え、追加の実験とこれまでの一連の研究成果の公表(学会発表や論文投稿)を行う予定である。

次年度使用額が生じた理由

(理由)
研究計画としてはおおむね順調に進んできたが、1)前年度からの繰越金があったこと、2)当初予定していた研究計画および実施法の変更に伴って当初の予定よりも経費がかからなかったことが、未使用額が生じた理由である。また、これまでの研究では、健康行動の変容ステージを細分化して検討してきたが、一次予防対策を行う上で個人の認知として、顕在意識だけではなく、潜在意識について詳細に検討する必要性が示唆された。そこで、この残額を次年度に使用することを考えて補助事業期間を1年延長した。
(使用計画)
実験結果を応用研究に適用するためには、対象者及び実験条件の違いを含めて再現性を確認する必要があると考え、追加実験とその研究成果の公表(学会発表や論文投稿)を行う予定である。次年度の研究遂行に関する必要経費としては、実験に関する謝金を中心に使用することを予定している。

  • 研究成果

    (10件)

すべて 2018

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (9件)

  • [雑誌論文] Influence of Subjective Happiness and Dysphoria on Music-Evoked Nostalgia2018

    • 著者名/発表者名
      Kobayashi Masanori、Otake Keiko
    • 雑誌名

      The Japanese Journal of Personality

      巻: 27 ページ: 155~158

    • DOI

      https://doi.org/10.2132/personality.27.2.6

    • 査読あり
  • [学会発表] ポジティブ感情を支える諸要因:過去・現在・未来から見た役割2018

    • 著者名/発表者名
      大竹恵子
    • 学会等名
      日本心理学会第82回大会
  • [学会発表] 想像は援助動機を高める―援助効力感の役割―2018

    • 著者名/発表者名
      小國龍治・小林正法・大竹恵子
    • 学会等名
      日本心理学会第82回大会
  • [学会発表] ノスタルジアは外集団顔の信頼性評価を高める2018

    • 著者名/発表者名
      小林正法・大竹恵子
    • 学会等名
      日本心理学会第82回大会
  • [学会発表] セルフ・エスティーム(SE)研究の抜本的再考(4)―ローゼンバーグ尺度ならびに常態化するSE教育からの脱却―2018

    • 著者名/発表者名
      大竹恵子
    • 学会等名
      日本教育心理学会第60回大会
  • [学会発表] 健康心理学における援助要請-心身のケアを届けるために-2018

    • 著者名/発表者名
      大竹恵子
    • 学会等名
      日本健康心理学会第31回大会
  • [学会発表] 日本健康心理学会における利益相反と出版倫理(3)-新しい倫理チェック体制の導入紹介と研究倫理における学会会員間の考え方の共有を目指して-2018

    • 著者名/発表者名
      大竹恵子
    • 学会等名
      日本健康心理学会第31回大会
  • [学会発表] ステレオタイプな「望ましい健康像」の再検討-エビデンスに基づく健康の保持増進の心理学的支援-2018

    • 著者名/発表者名
      大竹恵子
    • 学会等名
      日本健康心理学会第31回大会
  • [学会発表] エピソードシミュレーションが援助効力感に及ぼす影響-時間的距離に焦点を当てて―2018

    • 著者名/発表者名
      小國龍治・小林正法・大竹恵子
    • 学会等名
      日本健康心理学会第31回大会
  • [学会発表] 喫煙に対する潜在的・顕在的態度とその変容可能性2018

    • 著者名/発表者名
      小林正法・大竹恵子
    • 学会等名
      日本健康心理学会第31回大会

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公開日: 2019-12-27  

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