研究課題/領域番号 |
15K04167
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研究機関 | 甲南大学 |
研究代表者 |
福井 義一 甲南大学, 文学部, 教授 (20368400)
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研究分担者 |
島 義弘 鹿児島大学, 法文教育学域教育学系, 准教授 (00631889)
稲垣 勉 長崎大学, 大学教育イノベーションセンター, 助教 (30584586)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 愛着 / 潜在連合テスト / 表情の情動認知 / 共感性 / 被虐待経験 / 内的作業モデル / 潜在的態度 |
研究実績の概要 |
平成29年度は,以下の研究を実施した。 1)9月から,前年度と同様にIATと表情の情動認知の実験と自記式尺度を用いた質問票調査を継続的に実施し,データを追加した。2)MET-CORE2の開発過程において,一部信頼性を下げている可能性のある正答率の低い刺激が複数存在したため,一部の訳語を修正して,再度データ収集をやり直した。そのデータを用いて,信頼性と妥当性について詳細に検証した。3)合成された表情刺激を用いた実験をさらに継続し,データを追加した。4)科研費受給以前から収集していたデータと,科研による研究から得られたデータについて分析を行い,15th Conference of European Society for Traumatic Stress,第16回日本トラウマティック・ストレス学会,日本感情心理学会第25回大会,日本パーソナリティ心理学会第26回大会,日本心理学会第81回大会,European Society for Trauma and Dissociation 2017,第22回日本心療内科学会総会・学術大会,九州心理学会第78回大会において発表を行った。5)日本感情心理学会第25回大会において,『感情心理学研究における客観的評価手法の可能性-潜在連合テスト,表情の情動認知, 多次元共感性テストを用いた研究の知見とデモンストレーション-』と題した自主シンポジウムを企画し,3つの演題を提供した。6)本課題が始まる前に収集したデータから論文化されたものが,甲南大学紀要に掲載された。7)視線追尾装置の予備実験を実施した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
MET-CORE2の訳語に修正が必要であったため,その完成が少し遅れている以外には目立った後れはなく,概ね順調に進展している。追加のデータ収集も順調であり,予定を前倒ししてシンポジウムを開催でき,論文投稿も進んでいる。 毎週一回の研究ミーティングも継続実施しており,リアルタイムで情報が共有できており,不測の事態にもすぐに対応できている。
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今後の研究の推進方策 |
今後の研究の推進方策について,やや遅れていたMET-CORE2の完成のめどがついてはいるものの,3回の学会発表を通じて,慎重に信頼性や妥当性についての確認を行う予定である。視線追尾装置を用いた予備実験も終わっており,今年度に何らかの報告をする予定である。また,得られた成果について,随時論文化を進めている。さらに,日本心理学会における自主シンポジウムで,この3年間の成果を報告する機会を持つ予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
昨年度と同様に,謝金が発生しない条件で,実験協力者を確保することができたため,謝金のための予算が使用されなかった。今年度は,謝金が必要な実験が多くあるため,使用することが可能である。
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