認知症介護では、認知症の人とともに認知症の人を介護する家族への支援も重要である。認知症の人への質の高い介護が提供され続けるためには、家族の健康状態をいかに確保できるかが大きな課題となる。家族支援においては、介護情報の提供や認知症者との活動にとどまらず、家族を「家族」という側面とともに、「一人の人」という側面をも重視して、両側面から支援することにより、家族の精神的健康の維持、促進を目指すことが必要である。家族支援のあり方として家族の介護や自己への認識や日常の回想に着目した検討は国内外ではまだなされておらず、本研究は、今後の家族支援方法を検討する上で大きな意義があると考えられる。
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