研究課題/領域番号 |
15K04174
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研究機関 | 科学警察研究所 |
研究代表者 |
藤田 悟郎 科学警察研究所, 交通科学部, 部付主任研究官 (20356223)
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研究分担者 |
岡村 和子 科学警察研究所, 交通科学部, 室長 (10415440)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 心理アセスメント / 被害者支援 / トラウマ / 交通事故 |
研究実績の概要 |
交通事故の被害者支援の現場では、多数の死傷者を伴う重大事故が毎年発生している中、必要とする交通事故被害者に必ずしも十分な支援が行き届いていない可能性がある。特に、急性期の症状が顕著でない遅発型と呼ばれる人は、症状が一貫して軽微な軽症型と区別がつきにくく、支援の対象から外れる可能性があるため、急性期から継続的に支援を行うべき交通事故被害者を早期に見極める指標を発見する必要がある。 本研究では、交通事故で重傷を負った人を対象として、交通事故の発生直後から1年間にわたって調査を行う。事故の発生直後には、人体傷害の状況等の医療データ及び衝突速度等の交通事故データを収集するとともに、事故後の間もない時期(1~3ヶ月)と、事故から1年後の2回に、精神的苦痛や事故後の生活の様子等に関する質問紙調査を行う。これらの調査で得たデータを分析し、交通事故被害者の精神的苦痛や社会的適応に影響する要因を縦断的に明らかにした上で、支援に重点を置くべき交通事故被害者を早期に発見するための指標を特定する。 本研究に必要なデータは、人体傷害の状況や衝突速度等の専門的な解析が必要であることと、事故直後からの継続した追跡が必要であることから、交通事故調査の専門機関(一般財団法人交通事故総合分析センター)に調査を委託し、それぞれの事故についての詳細なデータを4年計画で収集する。4年計画の2年目にあたる当該年度は、前年度に引き続き、茨城県つくば地区において、医療データ及び交通事故データの収集と、質問紙調査を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
平成29年3月までに50ケースの交通事故を調査の対象とし、うち36件から初回の質問紙調査のデータを、10件から追跡の質問紙調査のデータを得た。一方で、調査の準備に当初の想定よりも時間を要したことと、調査対象者の確保が当初の想定よりも進まなかったことから、調査を実施できた件数が計画以下に留まっている。
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今後の研究の推進方策 |
次年度においては、引き続き、新たに発生した交通事故を対象に医療データ及び衝突速度等の交通事故データの収集と、初回の質問紙調査を継続するとともに、平成28年度までに実施した初回調査の回答者に対し追跡調査を行う。また、収集済の調査のデータに関して予備的な分析を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
本研究は4年計画で調査を実施するが、当該年度に実施予定であった一部の調査が完了せず、予算が執行できなかったため。
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次年度使用額の使用計画 |
次年度に執行する。
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