研究課題/領域番号 |
15K04177
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研究機関 | 国立研究開発法人国立循環器病研究センター |
研究代表者 |
山内 美穂 国立研究開発法人国立循環器病研究センター, 研究所, 非常勤研究員 (10443491)
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研究分担者 |
飯田 秀博 国立研究開発法人国立循環器病研究センター, 研究所, 部長 (30322720)
中川原 譲二 国立研究開発法人国立循環器病研究センター, 病院, 部長 (20521107)
安野 史彦 奈良県立医科大学, 医学部, 准教授 (60373388)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 脳内神経ネットワーク / fMRI |
研究実績の概要 |
脳卒中後に抑うつ状態が高頻度で起こることが知られているが、近年、脳内神経ネットワークの障害とその回復に伴う抑うつ症状の改善が示されている。本研究の目的は、脳を直接的に刺激する両側性交互刺激の脳内神経ネットワークへの作用と、その抑うつ状態改善への影響の確認を検討することである。方法としては両側性刺激に音を用いて、受動的刺激である聴覚刺激の提示内容の違いが脳内神経ネットワークに及ぼす作用を、脳機能画像によって調べた。fMRI実験は、感情喚起スライド(International Affective Picture System)から評定項目を用いて選択された視覚的情動刺激に、聴覚刺激である音を組み合わせた実験タスクを作成し、ブロック・デザインで行った。 平成27年度は脳ファントムによるfMRI実験を実施し、実験タスクの調整を行った。平成28年度は平成27年度に行ったパイロット実験に基づき、健常成人被験者を対象としたfMRI実験を実施した。実験では視覚刺激を呈示しながら、聴覚刺激(両側性交互条件、両側性同時条件、無音条件)を加えて、fMRI撮像を行った。fMRI実験の結果、中立視覚刺激と比較した嫌悪視覚刺激において、両側性刺激条件での後頭皮質と左扁桃体の賦活が示された。解析の結果から両側性刺激が扁桃体への働きかけを行っていることが示唆され、情動的処理過程に影響を与える可能性が考えられた。平成29年度はこれらの結果を踏まえた追加実験を行うとともに、結果をまとめ、発表を行う予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
実験機材の故障やMRI装置のメンテナンス作業等があり、実験が一部計画通りに実施されなかったため。
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今後の研究の推進方策 |
引き続き、広く被験者を募り、健常被験者群を対象とした実験を追加実施することにより、一定の結果を得ることを目指す。また共同研究者間の情報の円滑な共有を図り、成果の公開を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
実験機材の故障やMRI装置のメンテナンス作業等により、一部の実験が計画通りに行われなかったことから、実験の実施等に伴い使用される予定の金額が次年度に持ち越されたため。
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次年度使用額の使用計画 |
実験実施に伴い発生する費用は、本年度執行する予定であった研究費を、次年度研究費に組み込み使用する。成果発表等の際に必要となる費用は、次年度予算から執行する。
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