研究課題/領域番号 |
15K04178
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研究機関 | 旭川医科大学 |
研究代表者 |
高橋 雅治 旭川医科大学, 医学部, 教授 (80183060)
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研究分担者 |
池上 将永 旭川医科大学, 医学部, 講師 (20322919)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 健康教育 / 糖尿病 / 自己制御 / セルフ・コントロール / 社会的サポート / 共分散構造分析 |
研究実績の概要 |
健常者を対象とする各種心理検査を用意し,得られた共分散構造分析を容易に実施するためのコンピュターシステムを研究室内に構築した。次に,旭川医科大学、放送大学の学生から、若年と中高年の健常者,及び、独身者と既婚者の健常者群の被験者を集めて、一般的自己効力感尺度、社会的サポート尺度、外的制御傾向を含む自己制御傾向尺度、食事管理の自己効力感尺度、及び、社会人口学的な調査についての心理検査を行い,得られた結果に対して共分散構造分析を行った。その結果、予備的研究から得た生活習慣管理についての心理構造モデルの類型化の妥当性が確認された。具体的には、若年健常者では、「一般的自己効力感」から「自己制御傾向」へのパス(自分の行動に自信がある人ほど気持ちのコントロールができる)、及び、「自己制御傾向」から「食事管理自己効力感」へのパス(自分の気持ちのコントロールが出来る人ほど食事管理に自信がある)が有意である逐次モデルの一般性が確認された。一方、中高年の健常者では、「一般的自己効力感」から「社会的サポート」へのパス(自分の行動に自信がある人ほど家族等からのサポートを受けている)、及び、「社会的サポート」から「食事管理の自己効力感」へのパス(社会的サポートがしっかりしている人ほど自分の食事管理に自信がある)が有意である逐次モデルの一般性が確認された。これらの知見は、2型糖尿病患者を対象に同様の調査を行うための基盤となった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
健常者を対象とする研究を実施するための環境を準備することができた。また,予備的研究から得た生活習慣管理についての心理構造モデルの類型化の妥当性が確認された。これらの成果は,2型糖尿病患者を対象に同様の調査を行うための基盤となる。したがって,おおむね順調に推移していると判断する。
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今後の研究の推進方策 |
本年度の研究から,健常者について,追加的なデータを収集する必要性が認識された。そこで,次年度以降も,健常者を対象とする同様の研究を行う。これにより,生活習慣管理についての心理構造モデルの類型化の妥当性を確認した後で,論文などにより成果を発表する。さらに、旭川医科大学病院の内科(病態代謝内科学分野)で2型糖尿病患者を被験者として、上述の心理検査を行い、その結果に共分散構造分析を行うための準備を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
おおむね計画通りに予算を執行した結果,端数が発生した。
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次年度使用額の使用計画 |
今年度発生した端数の予算は,次年度に消耗品として使用する予定である。
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