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生活習慣病の自己管理についての心理構造は，若年者と中高年者で異なる可能性がある。そこで，生活習慣の自己管理に関連する社会心理的な測度に基づいて，生活習慣管理についての自己効力感に影響を及ぼす心理的要因の構造を若年者と中高年者で複数回にわたり検討した。具体的には，生活習慣の自己管理の測度として一般的自己効力感尺度，自己制御尺度，社会的サポート尺度，生活習慣病管理の自己効力感尺度，さらに，被験者の社会人口学的な特徴として年齢と婚姻状態を測定し，それらの間の関係を説明する因果モデルを共分散構造分析により分析した。被験者として，旭川医科大学の学生および放送大学の学生から若年と中高年の健常者が参加した。その結果，若年の健常者では一般的自己効力感から自己制御傾向へのパス，および，自己制御傾向から生活習慣管理の自己効力感へのパスが有意であること，一方，中高年の健常者では自己効力感から社会的サポートへのパス，および，社会的サポートから生活習慣管理への自己効力感へのパスが有意であることが明らかにされた。ただし，若年者の結果については有意差がある場合とない場合が見られたことから，若年者の結果は中高年の結果ほど頑健ではないことも示唆された。したがって，若年では，自分に自信があるほど自己制御傾向が高く，自己制御傾向が高いほど生活習慣管理ができるという逐次モデルが成立すること，および，中高年では自分に自信があるほど社会的サポートが高く，社会的サポートが高いほど生活習慣管理ができるという逐次モデルの妥当性が支持された。
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