睡眠不足が脳の機能を低下させるとともに、健康を損なう原因となることがこれまで多くの研究で明らかにされてきた。睡眠不足による悪影響は、睡眠時間が世界一短い日本人で特に深刻である。しかし、短眠者に対して睡眠時間を増やすことがどのような効果をもたらすのかは検討されてこなかった。そこで睡眠時間を2時間延長したところ、感情制御、血圧、日中覚醒が改善した。さらに2週間にわたって睡眠改善を実施したところ、睡眠の質、日中覚醒、精神的健康、自己効力感が向上した。以上より睡眠の適正な確保が感情制御、日中覚醒、精神的健康の向上に有用であることが検証された。
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