研究課題/領域番号 |
15K04191
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
実験心理学
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研究機関 | 中央大学 |
研究代表者 |
緑川 晶 中央大学, 文学部, 教授 (90421833)
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研究協力者 |
ピゲ オリビエ
川合 圭成
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 認知症 / 機能亢進 / 残存機能 / 芸術 / 介護 / 周辺症状 / BPSD |
研究成果の概要 |
認知症の行動変化を測定するための心理尺度(HSS)を開発し、アルツハイマー病、行動異常型前頭側頭型認知症、原発性緩徐進行性失語症を対象に実施した。尺度は、介護者に対して発症前の状態と発症後の状態の2種類の項目の質問を行い、その変化(差分)によって発症後の変化を捉えるものである。実施の結果、多くの認知症患者において、発症後に感覚の過敏性が生じていることが明らかとなった。また意味性認知症においては、視空間機能の亢進が生じることが確認された。またより重度の認知症患者を対象に、視線による機能評価を行った。
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自由記述の分野 |
臨床神経心理学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
これまでの認知症についての基礎研究の多くは、認知機能の低下に焦点が当てられてきたが、本研究は認知症における残存機能や亢進する機能にも焦点を当てている点を特徴としている。調査の結果、認知症の多くの患者において感覚の過敏性を示すことが確認されたが、このことを周囲が理解することによって、認知症における周辺症状(BPSD)の低減に寄与することと思われる。また、自発的な表出が困難な認知症においても、視線を通じて残存機能の把握ができる可能性が見いだされたことから、このような理解が進むことによって、将来的には、認知症当事者の見直しにもつながることと思われる。
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