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最終年度では、自己と他者が得られる報酬確率を操作した社会的古典的条件づけ下において細胞外神経活動記録を行ったサル2頭に対し、可逆的に視床下部外側野の細胞活動を不活性化させる薬理学的実験を行った。方法としてGABAA受容体の作動薬ムシモールを注入し、自己および他者の報酬確率に対するリッキング（舐め）行動がどのように注入前後で変容するかを確認した。その結果、ムシモール注入前にはリッキング行動において自己の報酬確率が増加するほどその頻度は増加し、他者の報酬確率が増加するほどリッキングの頻度が減じるという主観的価値を表現していた。しかし注入後は、リッキング頻度は注入前と同様、自己の報酬確率に高くなるにつれて増加したが、他者の報酬確率に対してはあまり変化しなかった。この結果から、視床下部外側野が他者の報酬情報を含む自己の主観的報酬情報を処理し、期待行動に大きく影響を及ぼすことが明らかとなった。これらの結果の一部については、Neural networks for social reward valuation in the macaque brainというタイトルでThe 7th NIPS/CIN Joint Symposiumにて口頭発表を行い報告した。また、第7回新潟脳研-霊長研-生理研合同シンポジウムや第40回日本神経科学大会などで口頭およびポスター発表を行った。現在、本研究に関する論文を一報投稿中であり、さらにまとめたものを論文として発表する予定である。
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