パイカ行動(カオリン粘土の摂食)がラットの悪心の行動指標とされるのは、ヒトに吐気を誘発する諸処置(放射線照射、運動酔い、LiClなどの催吐剤の投与)がパイカ行動を引き起こすからである。回転カゴでの自発走行もラットにパイカ行動を喚起することから、走行は悪心を生むと思われる。本研究の主要な発見は次の通り。(1)自発走行可能な時間が長くなるとパイカ行動は大きくなる。(2)パイカ行動は強制走行でも生じ、その大きさは回転カゴ速度に依存する。(3)パイカ行動はLiCl投与による味覚嫌悪を減弱するが、走行に基づく味覚嫌悪には影響しない。(4) 水泳も味覚嫌悪とパイカ行動を生む。つまり、水泳も悪心を誘発する。
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